生きて行く、私
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“お誕生日、おめでとう。” “ありがとう。 ・・・キミが好きな43歳には、まだまだだけど。”
驚く、私。 口にしたことがあったのだろうか。
そう。 いつも、いつも。 些細なすれ違いがある度に。 思ってた。 “43歳のアナタと出逢いたかった。”と。
私にとって。 “43”は大人の男の象徴。
幻に囚われているだけだとしても。
私に無償の愛をくれる、かの人が。 私の人生に滑り込んできたのは。
43歳、だった。
子供の無知は。 無邪気で可愛いけれど。 大人の無知は。 罪で醜い。
だから。 少しずつでも。 辛くても。
知らなければ、ならない。
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いつも本当に。 ありがとう。
私のおまわりさんを。 あんまり困らせすぎないように。
一歩ずつ。 歩んでいきます。
地位も名誉も富も。 そして。 明日、すら。 いらない。
ただ、願うのは。
この瞳から溢れる涙を。 絡めとってくれる、舌先と。 この頬をつたう涙を。 染みこませる、胸板。
それが。 泣き虫オンナ、の。 欲しいもの。
なぜに人は。 心なんて不確かなものを。 求めるのだろうか。
この瞳に見えなくて。 この手で触れなくて。 何より、儚い。
そんなものを求め続けて。 いつも。
独りよがりの。 一喜一憂。
“サヨナラ”と、一言いえば。 きっと、全てが終わるのだ。
けれども。 その一言がもたらすのは。 更なる寂しさ、か。 予想外の安らぎ、か。
戻ることも。 進むことも。 できず。
ただ、ひとり。 泣いている。
悲しみを飲み干すことで。 人は大人になるのだろうか。
泣いて喚いて。 水面に映るは。 無力な自分。
揺れる顔から掬い上げた 苦い水滴を口に含んで。 飲み下して。
ようやく私は。 “赦す”、ということを知る。
この世の中の、不条理を。 何よりちっぽけな、自分自身を。
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“辛いときほど、意地でも笑いぃ。”
・・・貴方の声が頭のなかでリフレイン。
そう、沈んだときの。 何よりの応援歌。
永遠、という言葉は嫌い。 この世のもの全ては。 移りゆくからこそ尊く美しい。
それでも。 久しぶりに聞いた貴方の声は。 隔てた時間などもろともせずに。 優しく私を包み込んで溶かした。
私はただ、赤ん坊のように。 ふぎゃあ、と泣いた。
恋というには、あまりに深く。 愛というには、あまりに幼い。
けれども。 いつまでも揺らぎなき存在。
そう、貴方は。 愛されることしか知らなかった、私の。
初恋の人。
激動の時代を凛として生きた その人に。
比類なき愛情で彼女を看取った かの人に。
心から捧ぐ。 汚れなき、弔いの花。
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