てくてくミーハー道場
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2009年02月21日(土) |
『スーザンを探して』(シアタークリエ) |
歌が上手いって、素晴らしいことですね!!!(←いきなり毒舌?)
ほんと、ミュージカルに出る人は、歌が上手くなきゃだめです。
当たり前です!(自分ツッコミ)
でも、なぜかそれが守られてないことが、多いです。日本では(落胆)
まあ落ち着いて。(誰に言ってるんだ?) (*´-`) 自分にです。
本作は、1970年代中盤から1980年代初頭にかけて活躍していたアメリカの人気バンド・ブロンディの楽曲のみを使用したカタログミュージカルであります。ロンドンで初演されたんだけど、あんまりヒットしなかったらしい。
アラフォー以上の人はタイトルでピンと来るはずで、そう、元々は「あの」マドンナの初出演映画(主演、ではない。日本では『マドンナのスーザンを探して』というタイトルで封切られたのだが、これは、日本では「マドンナが出てるよー!」以外のウリが、この映画になかったためで、『マドンナの〜』つうわりに、マドンナはほんのちょっとしか出てないのだ。でも一応タイトルロール=スーザン役なんだけどね)
んでこの映画も、マドンナが初めて映画に出たって割りには、ヒットしなかった記憶がある。
ぼくはこの映画を観てなくて、今回DVDを借りて観てみっかと思ったのだが、近所の弱小TSUTAYAにはなかった。
ネットで借りて、自宅へ届き、ポースートへ返却♪ のやつで借りれば良かった。
ま、それはいいとして、なんでヒットしなかったのかって言うと、この映画自体非常にチープで、マドンナ本人も、自分のフィルモグラフィーから抹殺したがってるらしいくらい黒歴史な作品らしい(まー、そりゃ『エビータ』と比べりゃなぁ)
でも、一部には「アメリカの聖子ちゃん」(えっ? つまり『野菊の墓』みたいな?☆\(−−;)アホ)時代のマドンナが見られるってんで、カルトな人気もあるらしい。
まだ若くてむっちりピチピチなマドンナが見られるそうだ。
また前置きが長くなってしまったが、今作の原作者ピーター・マイケル・マリーノは、この映画の「平凡な主婦の自分探し」というテーマはそのまま使って、音楽を全部ブロンディの楽曲にしてミュージカルにしちゃおうと考え、見事それに成功した。
そういやマドンナが出てきた時、「デボラ・ハリーの亜流みたいなんが出てきたなあ」と思った人も多かった気がする。
「アメリカで“セックス・シンボル”ゆーたら、皆こんなんやもんなあ」(何故大阪弁?)
映画の舞台は1985年だったが、ミュージカル版では1979年になっており、スーザンのビジュアルイメージも、マドンナからデボラ・ハリーになってんだけど、そんなわけで大まかなイメージは全然変わらない。
ただ、やっぱアメリカ自体も1985年よりは1979年の方がトンガってたらしく、作品内容はより過激に、かつ物騒になっているようだ。
と、背景の分析を長々してもしょうがないので、いきなり核心に入りますと、
「カタログ・ミュージカルの長所として、楽曲に耳なじみがあり(つっても、ぼくは出てきた曲のうち3曲ぐらいしか知らなかったが)音楽的な快楽は味わえる。ただ、ストーリーがややご都合主義で、最後は『えぇ〜っ?!』となった」
といった感想です。
ただまー、今回出演者が一人残らず歌が上手く(Wキャストのスーザン、本日はたぁたんでありました)、まさしく「音楽的快楽」は約束されていた。
とにかく、一番量を歌う保坂知寿とたぁたん(香寿たつき)が上手なので、筋書きに緻密さがない不満も帳消しでおつりが来た感じ。
もちろん他のメンバーもみんな上手く、「この人が歌い出すとずっこける」という事態(あるのよ・・・他の作品ではよく/哀)が起こらなかったのが、何より重畳だった。
ただ、狩人兄(加藤久仁彦)が、歌はばっちしなんだけど、セリフがどうも・・・って感じでした。
あと、せっかく上手いのに山路和弘さんとカリンチョ(杜けあき)に歌がない残念さ。
ただしこのお二方は、コメディリリーフとして贅沢すぎるほどの実力を発揮。上手過ぎて参った(*^^*)
ところでこの作品、かなりソリッドな音楽を使用したロックミュージカルの割りには、キャストの平均年齢がずいぶん高☆☆☆\(−−メ)
いやだって、『RENT』とあまりにも違いすぎ(←黙れや/怒)
いやまぁ、それは、演出のG2による“故意”らしい。作品テーマのターゲットを、わざとその世代に持ってったそうなのだ。
で、それに準じて(?)か、客席の方も、やけに“大人”(←デリケートな言い回し)の観客が多かった。
それも、「1979年頃にロック少年&少女だった」という以上に。
ぼく自身は、ブロンディが大ヒット曲「Call Me」をリリースした年に大学に入ったので、ジャスト世代と言えば言えるのだが、今日のクリエには、もっと、さらに上の世代のお客さんが多かった。
それは何故と考えるに、「キャストのファン層」が、そうだったという可能性が強い。
保坂さんが劇団四季にいた時代のファン、たぁたんが宝塚にいた時代のファンetc.
しかし、四季や宝塚のご贔屓筋とブロンディって、ほぼ接点がなさそう。
あのおばさま方(ってはっきり言っちゃうが)にとって、この作品の音楽って、どう響いたのだろう?
楽しんでいただけたなら良いのだが・・・(←別にお前が気にすることじゃないだろ)
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