ささやかな日々

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2022年06月27日(月) 
今日は友人Nの手術の日。朝あまりにばたばたしていて電話も何もできなかった。そのまま開始時刻に突入してしまい、いまだ連絡がとれてはいない。きっと大丈夫、と思う一方、もしものことがあったら、なんてどきどきしてしまっている。どうか何事もなく無事手術が成功していますように。

息子がカナヘビなる生き物を捕らえてきた。育てるんだと勇んでいる。見せてもらうとヘビというよりトカゲに見えるのだが、違うのだという。バッタや小さな虫を食べるが蟻はダメなのだとか。じゃぁ一体毎日毎日食べ物どうするの?と訊ねると、捕まえて来るんだ、という。
早速ワンコの夕の散歩途中で昆虫採集開始。私はとてもじゃないが草むらに入る気がしない。今入ったら蚊の餌食だ、間違いなく。そう思うとどうしても躊躇われていけない。息子は気にせずずかずか空地の草むらに入っていく。しかし。採集が下手で、見ていられない。結局ワンコを引き連れ私も向かう。すぐ小さなバッタを見つける。「母ちゃん、どうしてそんな簡単に見つかるの?!」息子が真剣なまなざしで私に尋ねて来る。別に不思議なことは何もない、目を皿にして草むらに手を伸ばすだけだ。また一匹、さらに一匹、と私が捕まえる。
帰宅してカナヘビの虫籠の中にバッタを移し入れる。しばらく待っていたらカナヘビがしゅっと何かを伸ばしてバッタをぱくん。噛むというより、ぱっくん、という感じ。こんなに身体は小さいのに、こいつは立派なヘビなのだな、と、改めて感じ入り、寒気を覚える。私はヘビ、トカゲ等、爬虫類が大の苦手なのだ。籠を通して見ている分には何とか耐えられるが、とてもじゃないが触る気がしない。
しかも、餌のために捕って来たバッタをカナヘビの加護に入れ替えるのがこれまた難問で。ぴょんぴょん跳ねて抗うから、気が気じゃない。もし部屋に逃げだしたらどうしよう、と冷や汗ものである。息子は全く意に介さずなのだが。
「かわいいなあ、もう一匹どこかにいないかなあ、飼いたいなあ!」。彼の夢は無限に拡がる。しかしその夢は母にとってもはや苦行以外の何者でもない。

家人が近々京都で個展を為す。そのチラシを作るよう命ぜられる。お小遣いくれるの?と言ったら、いえ、ボランティアですと即答されがっかり。でも彼はDTPソフトを使いこなせないひとなので、結局私がやるほかに術がないという現実。わかりましたよ、やりますよ、その代わり私の個展の時ちゃんと援助してね。心の中、そう言ってみる。
今回の写真集について、私は正直、理解できていない。ちっとも理解できていない。いや、ほぼ理解不能と言って過言では、ない。写真集に使われている彼自身を捉えた写真はすべて私が撮影したのだけれども、何と言うか、それをこういうふうに使って編むのはやっぱり彼の才能なんだろう。これまた私には理解不能なのだけれども。
要所要所は分かる。ああこれは彼の不安や恐れなのだな、とか、ああこれは彼のトラウマなのだな、とか。でも、この流れがよく分からない。ここで終わるのも分からない。つまり私はこの写真集をちっとも分かっていない。
そんなんでチラシ作りができるんだろうか、と正直不安だ。でも、素材をもらったからにはデザインするほかないわけで。
理解してない私から見た世界でいいのだろうか、あなたは。と、彼に訊いてみたくなったが、ちょっと臆して訊けなかった。

私の個展もあと3か月に近づいてきた。やることは山積みだ。


浅岡忍 HOMEMAIL

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