へい太の日記

2004年01月17日(土) 首から指へ

車に乗るけど寝違えて首を回せない
振り返るときも体ごと
年に一二度あって二三日すれば元通りに
静かな明け方 首を回すとシュリシュリ音がした
襟に擦れる髪の音かとも思ったが
どうやら首の骨の擦れる音
やがて右手の人差し指 指先が痺れるように
親指も痺れ 右腕が覆われ
四六時中 眠りすら浅いままに
トラックの荷台から滑り落ち 右肘をしこたま打ったから
医者に見てもらい 肘のレントゲンを撮る
首の写真も撮る 肘は何ともなく
第5頸椎と第6頸椎の間が潰れ
軟骨がはみ出して神経を圧迫していた
右手人差し指と親指の痺れはそのために
指の上に厚い皮を幾重にも貼り
まるでひとの手のよう
指でなく 肘でなく 首に大本が
今日も首が潰れているから指先は痺れたまま

前方に女子高生二人乗り自転車
後ろの手元で何やらきらきら光るモノ
コンビニおにぎりに海苔を巻いている
ヘッドフォンしたまま向かいから来る男子高生にもお構いなし
2年前 駅のホーム 地べたにあぐらを組んで
タバコをひとりくゆらしていた女子大生
指先で吸い終わったタバコを跳ね飛ばし
放物線を描くオレンジの軌跡
レールの向こう側に消えていった
20年以上も前 赤穂線車内でジベタに座り込み
タバコを吹かしながら長髪をかき上げていた人がいる
周りの友達らしき人に注意されていたけれど
あれがお父さんだったのだろうか
夢と自由の国に憧れて
やがて歯車に組み込まれた世代は
子どもに何も言わぬまま
子どもを育てたのだろうか
憧れていた未来の国は今そこにあるのだろうか
豊かな国やモノに溢れた便利さを目指し
いつの間にやら首が潰れ指先が痺れている


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へい太 [おてがみ] [へい太のほむぺ]

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