あの話。

地元では、応援演説会があった日に
既にかなりのニュースになっていた。
「酷かった」と。

思惑と違った人たちはテレビカメラに向かって
苦虫をかみつぶしたような顔で
「あんなもの応援じゃない」と言い放つ。

彼女が来県するという立て看板を見て
「近くだし、顔見に行こうか」と、政治に疎い私ですら思った。
ご同様の皆様はたくさんいたことだろう。
でも結局私は忘れてしまって行かなかったのだけれど。

当日の夜、ローカル局では
疾風怒濤のように彼女が駆け抜けていく様を
わりとしつこく(失礼)放送していたように記憶している。
テレビカメラ&リポーターが彼女を追って
2カ所目の地点に辿り着いたとき
彼女はもう演説を終えて壇を降りてしまっていた。
もちろん候補者はまだ到着していない。

2カ所目は予定より随分と早かったのだそうな。
彼女を目当てに予定されていた時間に集まった人たちは
「もう終わっちゃいましたよ」とレポーターに言われ、
当然のことながら冗談だと思っていたようだった。
でも、本当に繰り上げて演説して
もう帰ってしまったのだと判った後は
「せっかく見に来たのに」
「さっき広報車が4時からって言ってたのに」と
皆様大分ご立腹の様子だった。

知らない人の応援演説、というのも
考えてみればちょっとおかしなものだけれど
でも引き受けて壇上に立つからには
対人関係における最低限のマナーって
あるんじゃないかなぁ。
選挙云々じゃなくて、人としての気配りじゃないかなぁ。
「この人のことは知りません」って言うのもいいけど
(知ったかぶりするよりいいかもしれないけど)
その言い方にもいろいろあると思うんだけどなぁ。

私が不愉快に思ったのは、応援演説を繰り上げた彼女が
その足でコンサートへ向かったことだ。
「○潟でコンサートがあるって聞いて嬉しくて」と
本当に嬉しそうに話していた。

コンサートに行くことが悪いわけではないけれど
このタイミングであの応援演説とセットでこの話を聞いたら
誰でも不愉快になると思うよ。

このニュースに、選挙結果を殊更らしく言い足す
ニュースの締めくくり方もどうかと思うけどね。
2001年08月06日(月)

花のもとにて / しっぽ

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