もしかしたら人間は一番厄介な物を抱え込んでしまったのかもしれない。
詩は、私にとって抽象的すぎる。 自我が強くて、醜いほどにリアルを求めるから。 短い言葉に自分の気持ちを込める事が上手く出来ないから。 私の選んだ言葉に共鳴してもらえるかどうか解らないから。 その共鳴は私と一致するものなのかどうか解らないから。
短い小説も上手く書けない気がする。 そこに居る人は、私にとってとてもリアルな存在だから。 もっと知って欲しい。 彼らが何を考え、何を感じ、何を思うのかを。 言葉を選ぶセンスが無いだけかもしれない。
長い小説が一番合っていると思う。 いくらでも言葉を使う事が出来るし、細部まで書けるから。 読んでいる人との心の波長を最大限自分に引き合わせる事が出来るから。 その上での拒絶なんて恐くない。 それが現実なのだ。
だが一方で周囲の人間に一番受けるのが詩だったりする事も知ってる。 それも現実なのだ。 私は悲観しないし悲嘆もしない。 別段詩が嫌いだって事ではないし、書くのが嫌な訳でもないから。 例えば、 「詩と短編小説と長編小説、書くとしてどれが好き?」 と聞かれ、 「書き手として、強いて言うなれば長編小説・・・かな?」 と答える程度。 その程度。 考えてみてチョット苦手かな、と思う程度。 ま、それが結構な差なのかもしれないけど。
何にせよ、私の作品で反響してくれる人がいるのが救いかな。
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