バビロンまで何マイル?
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2006年09月17日(日) 10W病棟(7)

ちょっと外泊するので未来更新。

入院5日目、担当の看護師さんに「外に出たいよー」とこぼしたら、「あら、外出許可30分出てるわよ。先生言ってなかった?」。
ベッドから跳ね起きる自分。
 私「ええっ、聞いてない。外出していいの?」
 看「うん、大丈夫。今から行く?」
 私「行く行く。てか出して下さい(笑)」
 看「かをるさん出たがってたもんねー(笑)。じゃあナースステーションで手続きしましょ」

出かけるときは専用の用紙に記入し、預けてあるもの(財布とかライターとか)を出してもらい、入り口の電子ロックを開けてもらうという手続きが必要。帰ってきたらカメラ付きのインターホンを押すと中から開けてくれる。買ってきたものがあればチェックを受ける。私は外出するとたいてい本を買って戻っていたので、看護師さんに「また本買ってきたのねぇ」と笑われていた。
病棟の外に出たらエレベーターで下りて中庭に出たり、売店に行ったり。但し私は病院の敷地から外には出られなかった。長期入院している人は「社会復帰の一環」として、段階的に敷地外への外出が許されるようになるのだが、私は短期だったし、休みに来たのに人混みに出るのマンドクセというわけで、自分から敷地外への外出許可を求めなかった、というのもある。

初めて外出許可が出て、向かった先はコーヒーショップ。普段からコーヒーをよく飲んでいたので、どうしても飲みたかったのだ。(インスタントコーヒー持ち込みにすればよかったんだけど、そこまで頭回らなかった…)コーヒーを買ってから急いで外来にある有料ネットコーナーへ。そこで書いたのが8/17分の日記。タイトルでも分かるように、あの時は30分で病棟に戻らなきゃいけなかったので、慌ててここを検索してログイン(ログインIDをちゃんと覚えていた自分に少し驚愕)し、ほんのちょっとだけコメントをつけた。
2時間外出できるようになってからは、午前・午後1時間ずつ出ていた。ゆっくりネットを回ったり、時々姐さんと一緒に外出し、病棟内でできない話をしたり、他の患者さんと一緒に中庭の喫煙所で喋ったり。
やはり、外出できるようになってからの自分は何というか、音を立てて快復していったような気がする。

ここの病院には名物がある。それはなんと「カレーパン」。売店で売っているのだが、あまりの人気(と、ここの入院患者が多すぎるせいで)並べられてから1時間以内で売り切れてしまう代物だ。しかも土・日はお休み。
外出許可が出なかった頃、姐さんや他の人たちが「おいしいよー」と言っているのを聞いていて、食べてみたくてしょうがなかった。調理パンの病棟持ち込みは禁じられており、また患者同士のお菓子や煙草のやり取りも禁止されていた(病室でこっそりお菓子が回って来たり、他の人が吸ってる煙草を「試し吸い」と称して一本もらうということは良くあったのだが)ので、買ってきてもらうわけにも行かない。間食も控えていたし…とはいえ、評判の味を確かめたくて2回食べた。カレーがよく煮込まれていて、適度な辛さでうまい。油っこいのは仕方ないけど、私は「揚げカレーパン派」なのでそれはそれでまた良し。
最初に買いに行ったときには2種類あってどっちか分からなかったので、姐さんに教えてもらった目印を頼りに見つけ、レジのおばさんに尋ねてみた。
 私「あの、これがおいしい方のカレーパンですよね?」
 レジ「(笑)。どっちもおいしいけど、そっちが人気のある方ですよ。暖かい内に食べてね」

退院直前の金曜日、「最後のカレーパン食いに行く!」と宣言し、皆に大笑いされながら時間を狙って売店に向かったら、ちょうど来たばかりのカレーパンにありつくことができた。まだ暖かいそれを買い、ベンチで食べて満足。カレーパンにはやっぱり牛乳が合うね。

…うーん、書いてたらまた食べたくなってきた。


(続く)


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