やんの読書日記
目次|昨日|明日
2003年08月04日(月) |
アツーク 少年がみたもの |
ミーシャ・ダムヤン作 ヨゼフ・ウィルコン絵 宮内勝典訳
イヌイットの少年アツークが 友達だと思って一緒に暮らしていたハスキー犬のタルクを オオカミに殺され、復讐を決意するが、 復讐のあとにはむなしさが残るだけだった。 タルクは戻ってこない。 ふと気づくと自分は誰よりも強い、 動物から恐れられる狩人になっていた。 アツークは、友達を失ったときに やさしさも失ってしまっていたのだと思う。 小さな花を目にしたときに、 アツークは友達の大切さを知り、 やさしさを取り戻したのだと思う。 寒い冬の間にもわたしをずっと待っていてくれる友達がほしい といった花の言葉、 アツークが花に向かってきみをみまもっていてあげるという 最後の場面がいい。
|