やんの読書日記
目次昨日明日


2004年06月14日(月) くらのかみ

小野不由美作
講談社

田舎に代々続く大きな家の跡目相続
この家にはたたりがあって
子どもが育たないのだという
それで跡継ぎは、子どものいる
夫婦を養子に入れていたらしい。

現在の当主が病気になり
跡目と決めた夫婦に子どもが生まれなかったり
育たなかったりして、親族会議を始める
というところから物語が始まるのだが
毒ゼリ事件や、沼事件があり
そのうえ子どもが一人多い
という座敷童子まで登場して
推理小説のような展開だ。
探偵が子どもたちなので
なぜか目利きの鋭い子どもがいて
なんだか大人びていて
一見ぼんやりした大人たちと対照的だ
その大人の中に、事件をおこした
犯人がいて、ということになるのだけれど
やっぱり不思議なのは座敷童子だ
子どもたちも大人も、その子が前にいなかった
という事実を忘れてしまい、当たり前のように接したあと
いなくなったら忘れてしまう。
蔵座敷の中のお堂に住んでいるらしい
この子どもは、家の危機を救ったらしいことになっているが
なんとなくわかりにくいお話だった。
十二国記のような鮮烈さがない。
古い家の描写は現実的で
実在する家のような書き方で面白かった。


やん |MAILHomePage

My追加