やんの読書日記
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2004年10月01日(金) |
心に風が吹き、かかとに炎が燃えている |
ターシャ・チューダー編・絵 内藤里永子訳 メディアファクトリー
水道もガスも電気もないコテージでの生活 きつい労働、庭仕事をしながら挿絵を描き 女手ひとつで子どもたちを育てたターシャが 暖炉の前で子どもたちと朗読しあった詩の数々。
心に風が吹き、かかとに炎が燃えている、は ジョン・メイスフィールドの放浪者のうた という詩だった。モビーディックの世界への渇き それは冒険と航海へのあこがれだ。 白鯨を追うエイハブ船長へのあこがれもしれない。 ターシャの子どもに誰か冒険好きな子どもがいたのだろうか。
中にはマザーグースの一編もあり それがひょっこりひょうたん島の海賊4人組が歌っていた歌詞と よく似ていて驚いた。
私はワーズワースの黄水仙のページが好きだ。 見開きいっぱいに描かれた湖、ほとりに咲く黄水仙。 彩色がないのがかえってイメージを沸かせてくれる。 声に出して詩を朗読する というのが彼女の家での団欒だったのだろう。 そのときのイメージが挿絵になり 読む人に炉辺の語りの暖かさ懐かしさを 感じさせてくれる。
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