Shigehisa Hashimoto の偏見日記
塵も積もれば・・・かな?|それまで|これから
2002年10月14日(月) |
アニメ思い出館 第5回 「劇場版 DRAGON BALL 神龍の伝説」 前編 |
今回は少し趣向を変えてドラゴンボールの劇場版第1作「神龍の伝説」について語ってみたいと思います。TV版を取り上げないのは話が広くなりすぎるのを回避するためです。何しろ12年も継続したシリーズなので総論として取り扱うには規模が多すぎます。TV版のほうはまた機会があったら改めて取り組んでみたいと思います。なお、今回は書いているうちに長くなりすぎたので2回に分けて紹介することをご了承ください。
簡単あらすじ 昔々のこと。とある山奥に住む少年・孫悟空は都からやってきた少女ブルマと出会う。ブルマは七つ集めるとどんな願いでもひとつだけかなえてくれるというドラゴンボールを探しているのだ。孫悟空の祖父の形見がまさにそのひとつだという。早速ドラゴンボール探しの旅に出ようとする2人であったが、辺境の地に住む暴王・グルメスもまたドラゴンボールを狙っているのであった。
個人的解説 鳥山明原作の大ヒット漫画を映画化。 今作はその記念すべき第1作である。これ以降「DRAGON BALL」の映画は約10年にわたって総計17本作られた。プログラム・ピクチャーでありながらも安定した観客動員を見込める人気作として長らく映画界に君臨することになる。
本作は原作漫画でいうところの孫悟空とブルマの出会いから、初めて神龍が登場するまでをまとめた作品である。となるとTVアニメ版の焼き直しのように思えるが、時間的制約の多さゆえ間延びした演出が多いTV版と違って物語のテンポが良くスピーディーに展開してゆくのが特色のひとつである。また原作には登場しないオリジナルキャラやサブストーリーが挿入されており、新鮮な驚きをもって画面に臨むことができる。
今回は全体的な概論を話すのをやめ、心に残るシーンを挙げることでそれに代えたいと思う。次に紹介するのは孫悟空の家に奉られてあったドラゴンボールを奪ったパスタ・ポンゴと、それを取り戻さんとするブルマが追撃戦を展開するシーンである。 以下、画面からセリフを再録しシナリオ形式で紹介することにする。
○場面・空中
ブルマたちを乗せた飛行機がパスタたちの飛行機を捉える。やがて両機が並ぶ。ブルマ、親指を下に向けるジェスチャア
ブルマ「降りなさ―い。ドラゴンボールを返せ!」 悟空「(金貨を手にして)これ返すからさあ」
それを見ているパスタとポンゴ、余裕の表情。
ボンゴ「へへっ、何か言ってやがるぜパスタ。返事してやったらどうだ?」 パスタ「そうね。折角お代払ってあげたのに、欲の深い人達・・・」
パスタ、銃火器用の操縦席に移動し、ケージを開けてブルマ機に照準を定め狙撃する。あわてふためくブルマと悟空。やがて右翼に直撃し、バランスを崩して降下する。
ブルマ「よ〜し、そっちがその気なら!」
ブルマ機、水面をかすめながらもバーニアを最大噴射してパスタ機に急速接近する。軽快なテーマ。
ブルマ「いっくわよ!」
ブルマ機、機銃を発射、パスタ機のコックピットを攻撃する。ボンゴ、頭を抑えて避ける。その横を銃弾がかすめ、メイン・コックピットが損壊する。さらに右翼にも直撃しパスタ機は降下する。
ブルマ「ヌハハハハ・・・」
あまりに事が上手く運んで興奮するブルマ。
パスタ「大丈夫?」 ボンゴ「ドラゴンレーダーが・・・!」 パスタ「なかなかやるじゃない」
ブルマ「さあ、とどめよ!」
ブルマ、もう一度パスタ機に接近する。 パスタ、操縦席からでて安全用のチェーンを取り付けた後、バズーカ砲を構え照準をセットする。
パスタ「調子に乗るんじゃないわよ!!」
パスタ、ホーミング弾を発射する。 ブルマ機、間一髪避ける。
ブルマ「今だ!」
だがミサイルがもどってきてブルマ機に直撃し爆発四散する。 パスタ、その光景を見ながらバラの花を手に添え、香りを楽しんでいる。
パスタ「(陶酔したような声で)フフフ・・・欲張りは危険なのよ・・・」
パスタ、バラの花を放り、空中に散華させる。 ブルマと悟空、まっさかさまに落ちてゆく・・・
<第5回 前編 終わり、後編に続く>
橋本繁久
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