Shigehisa Hashimoto の偏見日記
塵も積もれば・・・かな?それまでこれから


2002年11月05日(火) ”この人の声に酔いたい” Vol.4 杉山佳寿子

概論
杉山佳寿子(すぎやま・かずこ)代表作:「アルプスの少女ハイジ」ハイジ、「科学忍者隊ガッチャマン」白鳥のジュン、「魔法のマコちゃん」マコ、他多数。アニメ創世期から活躍されている方。少女、美女、キャラものとこれまた幅広く活躍されている。美しい声というタイプではないが風邪をひいたかのようなダミ声が妙に艶っぽかったりする。つかせのりこ亡き後の「つるピカハゲ丸くん」を演ったり、小山茉美降板後のコロ助を受け持ったりして声の汎用性も意外に高いことが証明されている。

独断のプレビュー
風邪のせいで高熱が長々と出ちまって、更新が大幅に遅れてしまった。学際休みで時間もあるからバンバン書きまくろうと思ってたのになんとも無念(誰も気にしていないと思うけど)。それはさておくとして。

杉山さんと言えばハイジの可愛い声が文句なしに有名であろう。何年か置きに必ず再放送されるからこれはもうどの世代でも通用する。元気で、溌剌として、一生懸命なハイジにぴったりな声だった。なんというか、底抜けの明るさがあったよなあ。そんで素直なんだよね。笑うときは笑う、泣くときは泣く。杉山さんの声、本当に良かった。

もう一方では白鳥のジュンや「サイボーグ009」のフランソワーズ・アルヌール(003)などの正統派ヒロイン役も見事である。「ガッチャマン」は流し見程度でしか見たことはないが、冒険活劇アニメにとかくありがちな女性キャラを”添え物”とか”紅一点”的な位置に収めようとする傾向から脱却しているから流石である。杉山さんのキャラクターには確かな存在感がある。

また、杉山さんの特徴のひとつとしてキャラもの(非人間系キャラクター)に強いということが挙げられる。
「GU-GUガンモ」のガンモなんか強烈だったなあ。作品自体はあんまり好きじゃないんだけど(失礼)、杉山さんのガラガラ声が耳に残ったものだ。また同系等として「うる星やつら」では関西弁を喋るテンという役をやっていたはず。これも杉山さんにはもってこいの役柄なのだろう。そしてコロ助(2代目)もこのカテゴリーに入る。前述のように小山さんの後を引き継いだ形だが、8年間のTVシリーズのうち小山さんが担当したのは2年で、杉山さんが6年だから普通の人に「コロ助の声優さんは?」と聞けば大抵杉山さんの方を指すだろう。実際コロ助上手かったしなあ。オリジナルの雰囲気を残しつつも、大局では自分の声で勝負していた印象がある。小山さんのコロ助とは違った魅力があったと思う。

でも、杉山さんが演じた役の中で個人的に一番好きだったのは「Dr.スランプ アラレちゃん」の木緑あかねだったりする。なんかあかねって杉山さんの地がそのまま出ているんじゃないかって気がするんだよね(勝手な憶測だけど)。杉山さんが担当した結果、単なる不良とは違う、茶目っ気たっぷりのヤンキーに仕上がっている。鼻掛かった声で「なんだあ?」って言ったりして実にノリノリ。キマっていたなあ。また、「Dr.スランプ」では他に皿田きのこ役も兼任していた。こちらは杉山さんの十八番、可愛さ炸裂のキャラだった。

他にも色々あるぞ!「SF西遊記 スタージンガー」のオーロラ姫、「マグネロボ ガ・キーン」の花月舞、「はいからさんが通る」の藤枝蘭丸、「魔境伝説アクロバンチ」の蘭堂レイカ、「マジカル タルルートくん」の伊知川累(これ、もろにあかねの系譜ですな)etc・・・そういえば一度きりの特番で放送された「若草物語」では主人公のジョーをやっていたなあ。勝気な感じがよくあっていた。この作品もキャストが豪華なんだよね。長女・メグが増山江威子さんで、次女・ジョーがさっきも言ったように杉山佳寿子さん。んでもって三女・べスが麻上洋子さんで末娘・エミーが小山茉美さん。そして彼女ら4人のお母さんが池田昌子さんときた日にゃあ、誰が誰でもチャンネルあわすっていうもんですよ。映画スターに例えれば原節子・高峰秀子・司葉子・吉永小百合の四姉妹に田中絹代のお母さんが出てくるようなものだもん(ちょっとわかりづらいだろうか?)。今じゃあ到底考えられんキャストだなぁ。溜息出ちゃいます。

最近どういった活躍をされているのか不勉強で知らないが、杉山さんは間違いなくアニメ界の屋台骨を支えた名声優の一人。その輝きはいつまでも消えることはない。


橋本繁久

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