ゆりゆり日記
ただ知ること
過去にあつめたカケラで出来る絵は
その瞬間瞬間ごと
いつも完璧だということ
そうして明日を未来を生きていく

2005年01月06日(木) クジラの島の少女

お正月に借りたDVDを観た
こういう映画があったことすら
知らなかったのだけれど
静かに静かに惹かれて
終わってからもういちど
シーンサーチしながら鑑賞

クジラに乗るという伝説の
理屈を超えた甦りに
巨人を連れていた夢と
きんのさかなを釣るお話が
蜘蛛の糸のように
絡み合って
深いところでなにかが動いた

きんのさかなは
老人にしか釣れなかった
それは誰かに伝授できるような
実際的な方法ではなかったために
お祭りの中だけに残った
その結末は
意図して作った訳ではなく
寓話として書いたものでもない

だから
書いたわたし自身
これはどういうことなんだろうと考えた
誰かに伝えられない技術は
結局絶えて死んでしまうのかと思う一方で
お話のその後は
きっとまた誰かが
きんのさかなを釣るのだという予感もあった

未熟なので
釣ることに対する必然性を描けなかったけれど
他の人々の欲望とは別の次元で
なにかを成し遂げる人がいる
その技は常套の手段を超えていて
理屈なんかでは辿り着くことができない
そういう断片を
自分に引き寄せたかったのかもしれない

巨人を連れるわたしは
常識や理性を超えたところで
生きたいと願っている
けれどそれが誰かを脅かすとき
巨人の正体を明らかにすることの
必要性も感じる
さかなを釣る方法を
みんなのものにするように
巨人をみんなが歓迎できるように

クジラに乗る方法は
わたしにも解らないけれど


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ゆりすこ [MAIL] [吉祥堂]

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