実家から荷物がふたつ届いた 食品が詰まったクール便と 置いてきた着替えや 下のコのルービックキューブ こちらでは売っていない用紙類とともに 着物が4着たとう紙にくるまれて
それは 母が懇意にしている 小さなリサイクルショップで わたしが帰郷している間に たくさん入荷したうちの4着だという 自転車で買い物に出た折に その前を通りかかっておきながら 結局覗かずに帰ってきた
もっと早くに一緒に行っていれば いいのが選べたのにと悔しがる母に みんなが欲しいと思うようなのでなくて構わない と言いつつ 果たしてどんなものが届くのか もちろん楽しみではあった
ひとつは綸子ぽい地紋のある絹で ちょっと使い方が難しそう 他の3着は大好きなしゃきっとした紬風 織った横糸が所々節のようにふくらんで 手触り感があるのは まさにわたしのツボ
淡い藤色が徐々に色変わりして 織ってある無地のもの 黒地に大きく絞り模様が入ったもの 落ち着いた藤色に絣模様が入ったもの どれも生地はしっかりしていて すとんとしたシルエットが 綺麗なスカートが作れそうだ
一向に製作への意欲が湧かないこの頃 もう夏物は途中のまま 寝かせておきたい気分だった 毎年繰り返しては思うけれど 慎重さを要求される作業は この季節にはやっぱり向かない
けれど 何も考えず ひたすら解くことならできる この生地で作ったスカートなら 気に入ってくれるだろうお客さんの顔も浮かぶ 次の展示会も視野に入れて そろそろ始動のタイミングかな
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