ゆりゆり日記
ただ知ること
過去にあつめたカケラで出来る絵は
その瞬間瞬間ごと
いつも完璧だということ
そうして明日を未来を生きていく

2005年08月30日(火) 頑張るということ

昨日も今日も編み修行
ちょっと慣れてきたら
絞めが足りず弛んでいるものがあって
そのポイントに注意しながらのいちにち
それでもピッチはさらに早まった
さすがに
怠け者がいきなりこんなに働いて
終わる頃には首が上がらない状態

それを
師匠の佐藤さんは
6時過ぎまでやって
食事とお風呂を済ませてから
また2時間
その後テレビを見ながら
30分ぐらい別の作業をするのだそう

昔は呉服屋をやっていたと奥さん
佐藤さんの親の代からの仕事を辞めて
途中からかばん業を始めたそうだ
それで3人の子どもを育て
自分達が住んでる家の他にあと2軒
家を持っているのだと言う

身体を壊してから
座り仕事はできないという奥さんは
昔は和裁に洋裁に編物
今は詩吟に踊りと
なんだか多趣味のひとで
お昼休みなんかにちょいちょいわたしを呼んでは
そんな片鱗を披露してくれた

若い頃に頑張ったらいいことがあるから
と奥さん
わたしがいっとき頑張れたとしても
未だに身体を粉にして
毎日同じ作業を続ける佐藤さんには
どう頑張っても及ばない

ちょうどうちの父も同世代
まるで機械みたいに身体を使って
安い工賃で働いてきた
もしわたしが継いだなら
きっとどこかで
下請けのままじゃない道を
模索したに違いない

言うほど簡単ではないにしろ
この時代だからこそ
別の価値観で生きることが可能だと思う
しょせんわたしはわたしでしかなく
わたしなりの頑張り方で
やっていくしかなかったろう


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ゆりすこ [MAIL] [吉祥堂]

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