ゆりゆり日記
ただ知ること
過去にあつめたカケラで出来る絵は
その瞬間瞬間ごと
いつも完璧だということ
そうして明日を未来を生きていく

2005年11月10日(木) まりえさんちのお米

売り場にいると
お客さんが近づいてきて
今日はHさんはいないのと聞かれた
あれ?
なんだか親しみを感じるのに
対お客さんモードの緊張がはずれず
頭の中が一瞬空白になった
苗字を聞かされて一気に崩壊
まりえさんだー

思わず抱き合って喜んだが
ふっくらと柔和なお顔になっていて
すぐには分からなかった
なんか綺麗
そう言うと
そりゃあいつもは農作業だもの
今日は同級会
なのだそう

前回お宅に覗ったのはいつだったか
普段と同じように
七五三の着物を縫う仕事をしながら
小柄な身体でくるくると動き
美味しいご飯をご馳走になった
またおじゃましたいけれど
当分無理そうなのが残念

今年の我が家の新米はまりえさんちので
農薬を使っていないピカピカのだ
もちろんこの辺りのも美味しいけれど
山を越えて京都府のはずれにあるそこは
近くに湧き水を汲める場所があって
夏はさわさわと涼しい風が吹き抜けて
地の恵みのある素敵なところ

お米と一緒に
手造りのお味噌や万願寺とうがらしや
黒枝豆なんかのおまけも沢山頂いた
それは多分に
直接のお友達のお陰で
いつもわたしが行かなくても
律儀にお裾分けしてくれる

まりえさんは
どこかおきゃんな娘っぽさがあって
それでいて母のように甘えたくなる存在
純粋な好意のカタマリみたいな人だ
コトバなんて大して交わしていないのに
なんだか懐かしくて堪らない
この感情はいったいどこから来るのか

そういう人が作ったお米を
日々食べられることの幸せ
今日の短い再会を思い出しながら
じんわりと暖かく弛んでいた


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ゆりすこ [MAIL] [吉祥堂]

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