ゆりゆり日記
ただ知ること
過去にあつめたカケラで出来る絵は
その瞬間瞬間ごと
いつも完璧だということ
そうして明日を未来を生きていく

2005年11月27日(日) 最終日に

どちらかと言えば
ジャンクなものが多かった展示会
ふと通りかかって看板を眼にしてとか
新聞の情報欄を切り抜いてとか
骨董という言葉に惹かれ
ひとりでぶらっとやってくる
男性のお客さんが印象的だった

最終日の今日は
今回のきっかけとなったSさんが
一日いてくれて値引きに応じた
押されるとどんどんサービスしてしまい
後で落ち込むことの繰り返しで
しまいにはもう言わないでくれと
泣きが入る始末

あまりにも多岐に渡る分野の中で
それぞれの極みを
ひとつずつ持つのが夢という彼は
着物なら江戸縮緬だったはずなのに
それと知らず持っていた襦袢を
5千円で売ってしまい
会うひとごとに悔しさを訴えていた

けれどその一方で
銀の対のかんざしに
千円の値段をつけようとしたり
思い入れのアンバランスさは
誰もそれぞれ持っていて
そんな個性が古物を通じて
表れるのが何とも楽しかった

点数が少なかったリメイク服は
いろんな人に試着してもらい
やはり着る人の個性によって
魔法のように雰囲気が変わった
たったひとつを選ぶひとりのひとは
約束されていたみたいな結びつきだった

そういう瞬間に立ち会えることは
作り手冥利に尽きて
物を仲介することを
遥かに上回る喜びを与えてくれる
次の展示会を急ぐ声や
ともかくお店を始めるという意見を聴きながら
自分の中のバランスを計りなおしていた


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ゆりすこ [MAIL] [吉祥堂]

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