連日夜中まで 締め書類と格闘していたら すっかり風邪にやられてダウン 売上げの金額はハンパではなく それに比例するような欠損分を なるべく自分達で埋めようと 苦労したのだった
とうから在庫を数える締めは 二ヶ月に一度にしてもらっていたのが 毎月数えられないなら 損金は全部売り場サイドで持てと 協会から圧力が掛かった そう言われる前からずっと 少ない手数料を貯めては 欠損ゼロにしようと努力はしていた
おまけに どういう訳か数ヶ月前から 集計の結果を毎月5日までに 納品業者に連絡することとなり 今回は日程的に休館日を開けてもらう事もできず 沢山のお客さんで賑わう売り場で Hさんに販売をしてもらう傍らで 通常の何倍もある在庫数を 全てひとりで数えるよりなかった
市のこうのとり共生推進課から この10月の売上げが 前年度の6倍の売上げと発表されたとかで 詳しい数字が知りたいと 朝日新聞から問い合わせがあった それには答えず協会に振ったのだが ともかく好調な売り場ということで 多方面から取材を受ける機会も増えた
販売業者から 売り場に入りたいという話もあるらしい 資本のある所が 今委託で預かっている分を 全て買い取りにして販売するとしたら 当然同じ数を売っていても 利潤はもっと上がる この時代に既に売れる場所があると聞けば どんな業者だって参入したいと思うだろう
売上げが6倍でも わたし達の収入がそれに比例している訳ではない まして 日給2〜3千円の状態を4年間凌いで ようやく辿り付いた今なのだ そしてその今は トイレに行くのも食事を摂るのもままならず 書類を家に持って帰り 発注すら家からファックスしている始末
今がマックスだと思ってもう少し頑張ろう 風邪が治ったら ふたりで売り場に入れる日を増やすから でもどうしてもと 売り場にしがみつくのはやめよう そんな話をHさんとした 安定した収入は有難いが 不安定な状態は結局変わらないのだ
いつ完璧に売り場を離れるのか そのためのわくわく館での展示会であり 自分のもの作りではあるけれど すぐに定期的な営業でうまく廻っていくほど 甘くはないのもよく解っている 危うい綱渡りのようなこの状況を続けながらも いつか迷いなく その時を掴める日が来るだろうと信じている
そしてそれは 捨てたものよりも もっともっと大きいものを掴むための 新たなスタートの時でもある
|