ゆりゆり日記
ただ知ること
過去にあつめたカケラで出来る絵は
その瞬間瞬間ごと
いつも完璧だということ
そうして明日を未来を生きていく

2006年02月27日(月) 薩摩ボタン

昨日見た古物のなかに
薩摩焼の壺があった
緻密な絵が多色で描かれていて
なのにどこか素朴な
温かみのある壺だった
それが本物がどうかはともかく
薩摩焼という名自体知らなかったので
ネットで情報を仕入れた

あれこれ見て行くうちに
薩摩ボタンというものがあるのを発見
以前陶器のボタンが欲しいと
探した時には眼に入らなかったのに
復刻版を出しているサイトを見てビックリ
それはもう本当に小さな
陶製の絵付けされたボタンだった

先日の景徳鎮の杯よりもはるかに凝縮された
こちらはまさに和の柄が豊富に揃っていて
思わず食い入るように眺めてしまった
復刻版ということは
オリジナルの骨董品もあるだろうと
あちこち探してみたけれど見つからず
そのうち当の復刻版は
家から歩いてもすぐの
眼鏡屋さんで扱っていることが判明した

そういえば以前何かの情報誌で
陶器のアクセサリーの広告を見たが
それがこの事だったのだ
早速出かけてみると
15mmのボタンがいくつかと
それを指輪やネックレスに仕上げたものが
展示されていた

ひょっとしたら15mmのを
リメイク服に使えるかもと
贅沢なことを考えていたのだが
ワンポイントにするには小さすぎ
25mmのは置いてなかった
けれどネットの画像よりも
実物の方がはるかによく
金や多彩なものよりは
貫入の入っているのがよく見える
深い藍色だけのものが素敵だった

店長さんに聞くと
薩摩焼が盛んに輸出用に作られた頃
同じようにボタンも作られていたと言う
実際にボタンとしては
あまり使われていなかったようで
現存する骨董品はケタが違うそうだ
ひょっとしたら陶工の技巧の粋を表現した
美術品的扱いだったのかもしれない

服に使うなら
洗濯の度にはずした方がいいと言われ
25mmでひとつ4千円近くのを使うとすれば
それに見合う服のクオリティは
いったい如何ばかりかと恐ろしくなった
なんだか興奮した展開だったけれど
薩摩ボタンの力を借りようなんて
そもそもよこしまな考えだったか

しょせんは真面目に
縫いに精進するところへ
ぐるりと戻ってきてしまった気分だ


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ゆりすこ [MAIL] [吉祥堂]

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