ゆりゆり日記
ただ知ること
過去にあつめたカケラで出来る絵は
その瞬間瞬間ごと
いつも完璧だということ
そうして明日を未来を生きていく

2006年03月18日(土) ボタン狂想

いやー
夜遊びが利いたのか
ノドは痛いし悪寒はするわで
今日はひたすら寝てた
っていうかこの頃
ボタン作りと名刺作りで
テンション上がりっぱなし
いつかバタッと来そうな気はしてた

おまけにおととい
オークションにて一世一代の大勝負に挑み
コーフンはピークに達していた
あまりに熱しすぎて
すぐには日記が書けないほどだった
だってそれを見つけてから5日間じっと見守り
いったいいくらまでなら出せるのか
考えながらひたすら最終日を待っていたのだ

途中ネットに繋がらなくなった日もあり
入札に参加すらできないかもとハラハラ
終了3時間前にログインしたときは
心底ほっとして
目的のブツふたつが
800円スタートから3千円台と千円台に
また少しだけ値を上げているのを確認
実はそれまでに友人から応援を得て
資料としてもぜひ手に入れるべき
との結論に達していた

狙っている数人は必ず両方に入札していて
一時間前には5千円台になった
数分の時間差があるふたつの画面を見ながら
これはひょっとすると
とんでもなく高値になる予感に
電話で話し合いながらの入札となった
まずは20分を切ったところで
軽いジャブの6500円
それはいともあっさり交わされ
競っている相手はこの価値を知っている
という感触にドキドキが高まった

残り時間を見ながら
延長にならない間に決めたいと
12000円を入れた
けれど12500円をつけられ延長
もうこちらが入れるとしたら
友人と決めた最後の上限15000円しかない
それを入れて出た金額は14000円
再延長のカウントダウンを
祈るように見つめたのだった

ブツは最初から
美しい陶器のボタンとしか出ていなかった
小箱に詰められた6個セットのそれは
花びらに施された薄い彩色の中にも
きちんと貫入のあるのが見て取れた
図案は金で輪郭が描かれ
6個を比べてみると微妙に線が違っていて
確実に手描きによるものと思われた

どこでどう作られたのか
復刻版以外に今製造されているものはない
出品者は他にも
西洋アンティーク品ばかり出していたから
昔作られて輸出された薩摩ボタンの
逆輸入品なのかもしれなかった
これがダメでも
きっと手元に来るものは来るはずと
最後は諦めにも似た気持ちになった

そうして結果はそのまま落札
先に終了したあやめ柄25入札に続いて
人気があると予測していた桜柄22入札も
同じ金額で落とすことができた
実は刺激するのが怖くて
大きさは如何ほどか質問することも控えたのだが
仮に15mmとして
復刻版ですらひとつ2千円以上だから
よくこれで収まったものだと思う

まさかこんな風に自分のものが
のちの世で競われるなんて
作った人は考えもしなかったろう
だからこそもの作りは素敵だ
わたしたちの身体が
土に還った後もずうっと
人の手を介して生き続ける
このボタンを励みに
一層の精進を誓うのだった


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ゆりすこ [MAIL] [吉祥堂]

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