いやー 夜遊びが利いたのか ノドは痛いし悪寒はするわで 今日はひたすら寝てた っていうかこの頃 ボタン作りと名刺作りで テンション上がりっぱなし いつかバタッと来そうな気はしてた
おまけにおととい オークションにて一世一代の大勝負に挑み コーフンはピークに達していた あまりに熱しすぎて すぐには日記が書けないほどだった だってそれを見つけてから5日間じっと見守り いったいいくらまでなら出せるのか 考えながらひたすら最終日を待っていたのだ
途中ネットに繋がらなくなった日もあり 入札に参加すらできないかもとハラハラ 終了3時間前にログインしたときは 心底ほっとして 目的のブツふたつが 800円スタートから3千円台と千円台に また少しだけ値を上げているのを確認 実はそれまでに友人から応援を得て 資料としてもぜひ手に入れるべき との結論に達していた
狙っている数人は必ず両方に入札していて 一時間前には5千円台になった 数分の時間差があるふたつの画面を見ながら これはひょっとすると とんでもなく高値になる予感に 電話で話し合いながらの入札となった まずは20分を切ったところで 軽いジャブの6500円 それはいともあっさり交わされ 競っている相手はこの価値を知っている という感触にドキドキが高まった
残り時間を見ながら 延長にならない間に決めたいと 12000円を入れた けれど12500円をつけられ延長 もうこちらが入れるとしたら 友人と決めた最後の上限15000円しかない それを入れて出た金額は14000円 再延長のカウントダウンを 祈るように見つめたのだった
ブツは最初から 美しい陶器のボタンとしか出ていなかった 小箱に詰められた6個セットのそれは 花びらに施された薄い彩色の中にも きちんと貫入のあるのが見て取れた 図案は金で輪郭が描かれ 6個を比べてみると微妙に線が違っていて 確実に手描きによるものと思われた
どこでどう作られたのか 復刻版以外に今製造されているものはない 出品者は他にも 西洋アンティーク品ばかり出していたから 昔作られて輸出された薩摩ボタンの 逆輸入品なのかもしれなかった これがダメでも きっと手元に来るものは来るはずと 最後は諦めにも似た気持ちになった
そうして結果はそのまま落札 先に終了したあやめ柄25入札に続いて 人気があると予測していた桜柄22入札も 同じ金額で落とすことができた 実は刺激するのが怖くて 大きさは如何ほどか質問することも控えたのだが 仮に15mmとして 復刻版ですらひとつ2千円以上だから よくこれで収まったものだと思う
まさかこんな風に自分のものが のちの世で競われるなんて 作った人は考えもしなかったろう だからこそもの作りは素敵だ わたしたちの身体が 土に還った後もずうっと 人の手を介して生き続ける このボタンを励みに 一層の精進を誓うのだった
|