ゆりゆり日記
ただ知ること
過去にあつめたカケラで出来る絵は
その瞬間瞬間ごと
いつも完璧だということ
そうして明日を未来を生きていく

2006年06月05日(月) 着物巡り

先日
着付けの先生の案内で
常用しているという呉服屋さんに行った
平屋建ちのすっきりした建物はもちろん和風
玄関のたたきには現代の下駄が並び
上がってすぐの間には
帯締めなどの小物があった

廊下にも所狭しと商品が置かれ
広い座敷には
帯や反物がたくさん
その様子はなんだかラフで
敷居の高い呉服屋さんのイメージはない
なので気軽に反物を取ると
手紡ぎのだったりぜんまいを織り込んであったり
シンプルな飛び柄の泥大島だったり

対応してくれた女性と
座敷で着物の直しをしていた女性は
どちらも若くて話しやすかった
不在の社長があちこち飛び回って
安く安く仕入れてくるために
街の呉服屋さんが商品を探しに
やってくる程なのだそうだ

反物を見てはつい
それを服にすることを考えてしまい
当たり前に着物に仕立てるという前提が
自分にないために
なんだか混乱してしまったが
小千谷ちぢみや上布や
いい素材に触れることができて勉強になった

それから
奥の倉庫にあるという
古着物の山に取り掛かった
本当の目的はこちらだったのだが
もう随分売れてしまったとの言葉どおり
すぐにピンと来るようなものはなく
難あり箇所と
ひとつ千円という価格とを秤にかけ
素材用に3着を選び出した

帰りに少しだけと
福井秀雄商店に寄らせてもらった
本当に久しぶりだったのだが
店主の秀雄さんは昨年10月に亡くなっていた
最後に訪れたときは
ご病気のことも知らず
思わずお痩せになったと口にしてしまった

お茶を頂いてお話ししたことや
下のコを連れてお昼を過ぎたとき
わざわざおにぎりを買ってきて下さったことなど
本当に数えるほどの訪問しかないけれど
なんだか心を寄せたくなる素敵な方だった
初出しの着物が積まれた
そのすぐ脇の仏壇に
ふっくらとしたいいお写真があった

合掌


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ゆりすこ [MAIL] [吉祥堂]

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