ノーエの日記

2003年06月13日(金) 映画の話。

「スパイ・ゾルゲ」の映画が公開される。
篠田正浩監督が「最後の作品」と呼ぶ映画。
氏は自分が生まれ、目の当たりにしてきた昭和史を、時代の証人としてフィルムとして残しておきたいという強い願いを持っておられた様だ。
メイキングの番組が放映されて、デジタルCGを駆使して作られる画像の美しさと精密さは相当なものだという事が伺える。
「ゾルゲ」自身に興味もあるので、是非とも見に行こうと思う。
篠田監督作品について書くつもりだったが、他のお話し。

ハリウッド・スター グレゴリ―・ペック氏(87)が亡くなられた。
死因は明らかにされていないというのが、謎めいている。

G・ペックといえば、誰もが思い浮かべるのはオードリー・ヘプバーンと共演した名画「ローマの休日」(1953年)端正で上品な身のこなしの紳士俳優と『妖精』とたたえられた少女女優の共演は、どのカットを見ても全てが美しい絵のようだ。

へプバーンが晩年、スクリーンから姿を消し、ユニセフ親善大使として活躍されていた事は有名だが、一度だけスクリーンに登場したことがある。
「オールウェイズ」というタイトルの映画だ。
リチャード・ドレイファス演じる飛行機乗りの主役が、事故で亡くなり、その魂を迎えに来る「ハップ」という名の天使役だった。
「ローマ」のイメージの強い人々にとって、『妖精』の老いた姿にショックを受けた人もいるかも知れない。
確かにその微笑は『妖精』の時と同じではない。それでも、深く、美しく歳を重ねられたのだと、胸をうたれた。

そのへプバーンが亡くなった時、側にいたのはG・ペック氏だったという。へプバーンの遺体を自家用飛行機で永世中立国のスイスまで運んだとニュースで報道されていた。
映画「オールウェイズ」のように死後も人の命がのこるとしたら………

G・ペックの魂を迎えにきたのは「天使」だったのだろうか?

       ―――――――――――それとも「妖精」だったのだろうか?


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