武ニュースDiary


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2020年05月15日(金) 「天下雑誌」2014年12月号「彭文淳監督インタビュー」

金城武が彭文淳と撮ったテレビCMは、ここで言及されている
エバー航空や中華電信のほか、エリクソン・シリーズや白蘭氏もそうですね。
本当に印象深い、ストーリー性のある素敵なCMばかりです。
私も大好きです。
メイキングでは時々お顔も見える、その彭文淳監督へのインタビューが、
特集2本目の記事です。



彼のやりとりは、いつも3回で終了
――20年以上、金城武のCMを制作してきた監督・彭文淳に聞く


50
歳になる台湾の監督、彭文淳が、最初にCMを撮影したのは24歳のときだった。
彼はストーリー性のある脚本と、
画面の美しさを重視することで知られている。
台北故宮博物院やシンガポール空軍のイメージ広告を撮ったことがあるだけでなく、
記録映画「歌舞中国」で金馬奨の3部門にノミネートされてもいる。
イ・ヨンエ、ペ・ヨンジュン、アンディ・ラウ、
ステファニー・スン(孫燕姿)他の大スター達も、
かつて彼のレンズのもとで魅力を発揮し、
また、業界では金城武御用達CM監督とも称される。

20年余りにわたって、彭文淳は金城武と16本のCMを撮ってきた。
1993年の維他露・雪露雨乳酸飲料から、昨年のエバー航空「I See You」、
今年の中華電信「極速4G」まで、いずれも彼の手になるものだ。
金城武の20年の変化は、彭文淳のエスプリの効いた言葉によって、
生き生きと表現される。
以下はそのインタビューの要点である。

――21年前の「雪露」のCMは今でも覚えていますよ。
そのときの印象はどうでしたか?
この長い年月に、金城武の変わったところと変わらないところを教えてください。


彭文淳 実は、「雪露」の前に彼のことは知っていました。
あちらは私を知らなかっただけで。
1991年の夏、私の制作会社の応接室に、芸能事務所がカメラテストに寄越した
一重瞼の少年が1人、来たんですよ。
黒松沙士のCMでしたよ。

その子が私の椅子を占領して、私の電話を使って
楽しそうに日本語でおしゃべりしていたので、
その前に行き、退散してほしいと、丁重に言ったところ、
黙って立ち上がり、頭を下げて謝り出ていったんです。
ずいぶん時間が経ちましたが、彼は今でも相変わらず礼儀正しく、
謙虚で、内向的で、誠実で、嘘やでたらめを言わないという、
数々の特長を持ち続けていますよ。

変わったのは、事務所のトップスターになったこと、
変わらないのは、CM撮影現場で、私たちの言葉のやり取りは
3回以上続かないってことですかね。
 金城 またお会いしましたね。
  また会ったね。
 金城 いつ映画を撮るんですか。
  わからない。
 金城 今日は何時に終わるでしょうかね。
  8時かな、もっと早いかもしれない。私がワインを飲み始めたら、そろそろだよ。  
こんな具合です。

――金城武はどんな俳優ですか? 面白い人ですか? 
コミュニケーションは取りやすいですか? 
好きなもの、嫌いなものはあるのでしょうか?


 口数が少ない、すごく賢い。
本番になると、いつもまず、暫しじっとして、考えている目をして、
それから演技を始めます。

随分長い年月経っても、だいたい、この公式だね。
つまり、第1テイクでは、監督が欲しいものはやってくれない、
第2テイクになると、何でも要求通りやってくれる。
2テイクを超えることはめったにありません。

もし、そういかず、何回も撮り直しをしていると、
マネジャーが影のように音もなく私の傍にふっと現われて、
クールに聞くんですよ、「監督、OKですよね?」
で、私は「脅迫ですか?」と返す。

――金城武は、なぜ年齢を重なるほど、人気が出るのだと思いますか?

 年を重ねるほど、人気が出る、その通りですね。
日本の高倉健と似ています。
2人とも、控えめで謙虚な性格で、多数に流されることなく、
低俗に媚びないタイプの人間ですからね。
同世代の芸能人と比べて、年取ればとるほど抜きんでてくる。

しかし、CMのことを言えば、この長い期間に彼が中国、香港、台湾、
それに日本で宣伝した商品の種類は実に多い。
あらゆるタイプのCMを撮っている。
それでも私は決してすべてが合格だったとは思わない。

そのことについて、以前、彼のマネジャーに話したことがありますが、
先方は決して否定せず、ただ、
「ああ、監督、そんなに厳しく言わないで下さいよ。
誰でも生活があるんですから」と、職業的にね、多くを語りませんでしたよ。

21年経っても、ツーショットを撮ったことが無い

――あなたには「歌舞中国」という映画作品がありますが、
映画の金城武とCMの金城武は、どこが違うかお話しいただけますか?


 映画で役を演じるときは、
1人の人間の人格全体を表現しなければならないので、難度は高いです。
私は、彼は日本映画での演技の方が自在な感じがして、出来が良いと思っています。
中国語映画の代表作は、まだないと思う。

CMは、脚本も短く、内容が簡潔で、まあ細々とやるもので、
ある1つの瞬間をとらえさえすればいい。
この点では、彼は実に天分があります。

――金城武とその事務所と一緒に仕事をするというのは、
どんな感じなんですか? 彼らが追求しているのは何なんでしょう?


 フーロンはね、私の感じでは、まあ、お殿様かな。
実に細かく、うるさくチェックしてくる。
一緒に仕事をすると、必ず大喧嘩から始まって、
しかし、だからこそ、最後には良い友人になれる。
他にないくらいプロフェッショナルで、
芸能人に関する事務には非常に責任を持っています。
台湾唯一の、世界的水準の芸能事務所と言ってもいいほどだと思いますね。

――金城武との仕事で、何か強く印象に残ったことは?

 そうだ、彼とツーショットを撮ったことが無いことだな。
(完)


   BBS   ネタバレDiary 23:30


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