貴方を初めて見た時、とてもやさしい空気を感じた。 心の中にスーッと溶け込んで、温かな空気に包まれた。 それはきっと、勘違いでもなんでもない。 『見つけた』って、思ったの。 『この人に逢う為に辛い想いをしたんだな』って、思ったの。 勘違いかもしれないけど、そう思ったの。 だって、あの別れがなければ、貴方には出逢えていなかったから。
恋をすることが怖かった。 好きになって、恋だと自覚して、臆病で前に進めなくなったらどうしようって思った。 だから、好きじゃないって思った。思おうとした。 でも、貴方の存在はいつの間にか心に住み着いていて、 私は貴方に惹かれる一方だった。
良い方向に作用するのは、ある一時期まで。 ある一時期、ある関係まで辿り着いたら、そこからは不安が出てくる。 多少の信頼関係。 多少の馴れ合い。 この関係を壊したくないと思うと同時に、進んでいけるようなかすかな期待を抱いたり。 意識しなければ聞けていたことが、今は聞けない。 『好きな人いるの?』『彼女出来た?』『あのメールはどういう意味?』 聞きたくても、核心に触れることが怖くなる。 踏み込むことが出来ない。
メールはと言えば、結局返ってはこなくて、読まれているのかどうかも分からなくて。 悲しくて淋しくなる。 貴方に会っても、笑うことなんて出来なかった。
|