Espressoを飲みながら

2002年12月24日(火) クリスマス・イブ(謎)

クリスマス・イブと人は言う。
でも高校の時の宗教の先生(クリスチャン系の高校だった)によると
12月25日がイエスの誕生日と言う訳ではないそうな。

クリスマスとは、ローマ帝国がキリスト教化した時に、
それ以前の宗教のお祭りを単に禁止したのでは、欲求不満に陥った
民衆が暴動を起こしかねないということで、それまで行われていた
異教(クリスチャンから見て)のお祭りを、イエス・キリストの誕生日と
いう名目に変えて続けることにしたのが始まりだそうで。

実際、エチオピアのクリスチャンは12月25日とは別の日を
イエスの誕生日として祝っています。

 こんなこと知っていても、あなたの恋人があなたにプレゼントを要求
することに変わりはないし、この国の普通のクリスマスはそれはそれとして
楽しいものかもしれませんが、いい年した大人がいつまでも12月25日が
イエスの誕生日と思っているのは恥ずかしいかもしれないので、一応教養
までに覚えておいたほうがいいでしょう。

 ま、上記の牧師さんの教会も、本当は違うと知りながら、しっかり
クリスマス礼拝をして、普段は使わない合唱隊とか呼んだりしていたの
ですが。

信仰にとって、それが歴史的事実であるかどうかは、実際どうでもいいこと
なのかもしれません。チベットに、息子がインドから持って帰ってきた犬の歯を、お釈迦さまの骨と思い日々祈りを捧げていた老婆が、亡くなった時、
遺体が虹となって消えていったという伝説があります。信仰それ自体の方が
信仰の対象の真偽よりはるかに大事であるという寓話でしょう。

だから、結局のところ、多くの人にとって今日がイエスの誕生日なのでしょう。

でも、クリスマスを一人で過ごすからといって、嘆いている人がいること
だけはいただけません。

イエスは、あなた方の誰よりも、孤独だったはずなのですから。
ペテロに「そんな人は知らない」と言われ、ユダに裏切られ、
無実の罪で訴えられて嘲笑われながら、石を投げられながら十字架を
背負って歩き、磔にされて何回も槍で突かれ。

そんな風にされてなお自らを磔にした人々を許せた人だったのならば。
そんな運命を背負った人の誕生日だとしたら。

誰か、イエスよりも孤独な人がいるのでしょうか?





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空遊 [MAIL]

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