そこは市の中心部から、ほんの少し東に歩いたところ。 ちょっと散歩すれば、たちまち辿り着けるような。
でも、実際にはみなさん駅から東にはめったに行かれません。 とりわけ、川を渡るところまではなかなか歩いて行かれないようです。
川を渡ると、それでも川を渡ると、そこにあるのは近代的な街ではなく、 なんとなく懐かし気な、70年代を3回くりかえして2000年代に 突入してしまったような、そんな街並みなのです。
昔、どこにでもあったような、今より湿っぽくってふわっとやわらかかった ような菓子パンとおかずパンが売りの町のパン屋さん。
原色の緑色のクリームソーダなんかでてきそうな、 いつか入ったことのある喫茶店。
知らない間に忘れ去られてしまったような、町の風景。
ほんの少し、ほんの少しだけ東に向かえば、出会うことができる。
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