にゃんことごはん
ごはん



 肉球のピンク、小豆、まだら、いろいろ、どれもふかりと柔らかくて

私は、猫の肉球が好きです。ムニムニと意味もなく肉球を揉んでは、嫌がられています。

ずっと家の中にいる猫の肉球は柔らかくて、とても気持ちがいいものです。人間も労働している人の手や足の皮は厚くなり、堅くなります。私も立ち仕事をしていたときは、足の裏の皮が厚くなり(ついでに、外反母趾になり)、居職のときはそれと比べると薄くなり、老いるにつれ、しわしわになってきました。悲しい……という泣き言は、置いといて。

USAでは、手相ならぬ猫の肉球を研究して、肉球占いを本に纏めた人がいるそうです。私に我が家の猫一号ニャンタローを引き合わせてくれた友人は、その本を翻訳したいと言っていたことがありました。10年以上も前の話です。
知り合いの出版関係者に打診したりもしたのですが、私のプレゼンテーションが下手だったからでしょう、「ふ〜ん」で終わってしまいました。

ニャンの肉球をモミモミしながらふとそのことを思い出して検索をかけたら、「肉球占い」でヒットする、ヒットする。占い好きな人が多いんだなぁ、と思いつつ、読んでみると面白いのです。なるほど、こういうふうに性格というのは分類されるのか、というのがわかって、興味深かったです。

総じて「気まぐれでマイペース」と言われる猫ですが、いろいろな猫を見れば、猫なのに忠犬のように忠実な仔も、だれにでも愛想のいい仔も、気に入った相手にだけ懐く仔も、猫にはフレンドリーだけど人間には警戒心が強い仔も、猫は嫌いだけど人間にはフレンドリーな仔も……いるのだと、わかります。生まれ持った性質と育った環境によって性格は形成されるわけですが、その仔の資質と環境がうまく噛み合って、まるで奇蹟のような仔が出来上がる場合も、もちろんありますし、その逆もあります。それは、人間と同じ。

でもどの仔も、うちの仔になった以上は、可愛いわが仔。性格がどうの、相性がどうの、そんなのは、どうでもいいのです。ご機嫌でご飯を食べ、健康的に排泄し、気分よく暮らしてくれれば、それでよし。
老いて、それが難しくなったら、少しでも気分よくいられるように、できる範囲で手助けすればいいんじゃないかな。

雨が降って、少し涼しくなった夜風に吹かれながら、みんなの肉球をしげしげと覗き込んでは、迷惑がられている私です。

2012年09月11日(火)
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