剥離原因・インクもまずい 2001年08月02日(木)
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まずは昨日反省から。はがれたのはよ〜く見たらインクの上層にあるジェッソ。この貰ったキャンバスは油性地だ。全然気がつかなかった。どうりで最初インクがのらないはずだ。
その上に載せた油の色や食い付きが悪いのは、下地に吸収地がないから、浸透していかないせいだろう。オイルもビンに残っていた古いオイルを使ったのもまずかった。
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今日の作業。
とりあえずA4サイズだと描きづらいので、ボードにボンドではりつける。ボンドはコラージュで使う道具でもあり、耐久性や油キャンとの相性は大丈夫だと思うのだが。
シェパード・シャール君の鉛筆画を描こうと、ケント紙を水張り。
鉛筆画の予定だが、なんとなくインク画にしたくなってきた。
下絵をトレースして墨入れ、それから絵の具をのせていくのがテンペラ画のセオリーだが、その意味がやっと分かったような気がする。
今回私がやろうとしたのはまさにそれだ。インクであたりを決め、その上に大きく絵の具をのせていく。結果的にインクの線は見えなくなる。
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プリントアウトしたキャンバス地の写真の上に描いても全く意味がないことが分かったので、もう一枚のイヌの絵は、下地・有色地塗り済みのキャンバスボードに描くことにする。
まず写真をコピー。コピーはどうせ不鮮明なので、大きさの感覚しか分からない。荒い白黒のバランスとか。
カーボンでトレース。白黒つぶれて輪郭線は信用できないし形は全然分からないので、ボールペンで形を確かめながらクロッキーする感じ。テンペラ茶系でアウトラインを決め、大きな明暗を決める。
前回の茶色のイヌがばたばたと訂正ばかりだったので、今度は少し慎重に。
必要な絵の具しかのせない。この決意と緊張感もテンペラ独特のものかも。
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インクで下絵は、後ほど上層ににじみ出てくるのでまずい、と技法書に出ていたが、それもずっと意味が分からなかった。墨ならよくてインクがまずいのはなぜよ?
「西洋絵画の画材と技法 」サイトで質問したら、やっと分かった。
インクは染料。粒子が細かいので、浸透してしまうのだ。
そしてもうひとつ気がついたこと。
私はインクの透明性が気に入って今回素描していたわけだが、テンペラは不透明。
透明はレーキ(染料)、不透明は体質顔料、という感じなのかな。
油絵描くには透明色と不透明色を理解しなければならないという発言を読んだことがあるが、また課題が増えたな。( ̄▽ ̄;A
◆参考になったサイト
西洋絵画の画材と技法
http://homepage1.nifty.com/cad-red/
Nisaki's 絵具学
http://www4.justnet.ne.jp/%7Esienna/color/index.html
油彩画講座
http://www.kaigai.net/ohnoart/oil_art_school/
by HPY
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