嵐の中のびわ、温室の中のシクラメン 2002年01月21日(月)
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今日から次回の個展準備もしなけりゃならないので、本腰入れて描き出すことにする。何をテーマにするか、は未だにはっきりしないけれど、今日のテーマは見つけられた。
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生活の中にあるもの。
現場描きをする。(写真は撮らない)
画面いっぱいに大きく描く。
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どうも絵のセンセをやるようになってから、一瞬一瞬が美しく見えて気になる。
例えトイレのトイレットペーパーでも、「おっ、こりゃいいな」と思えてしまう。
ベランダに放置されたバケツとか。
じゃ、今日はバケツ。
……でもさすがにベランダで描くのは寒くてためらう。
そこで室内にあったシクラメンをテーブルに乗せる。
………………。
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雨。雨が降っているのに、道路からベランダにせり出しているビワの木には、小鳥がいるらしい。ピチピチッと鳴いている。
雨なのに。すごい風なのに。鳥はなぜビワの木にいるのだろう?
気になる……。
───────────────その魅力、押さえ難く、寒い暴風雨の中、ベランダのビワを描くことにする。
相棒が挿し木した植木。
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生きているものを描く。
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雨に濡れてつやつやと輝く草木は命。
冬の寒い中、枯れずにめげずに葉を落とさず頑張っている植物。
はいつくばっているアロエ。
なんか感動してしまって、うわずった気持ちで描き出す。
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そのうち嵐がひどくなって、モチーフめがけて洗濯物の棒は落ちてくるし、絵の具の中にがんがん雨が入ってくるので途中でやめた。
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でも鳥はまだ鳴いている。
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気を取り直して。
先ほどのシクラメン。部屋にストーブをつけて。
15号キャンバスにどでかく描く。
室外植物ほど生命力は感じないが、こっちも生きてるんだよね。
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手製のサンシックンドリンシードを、布で濾して小瓶に移し替える。
うん、なかなかいいオイル。
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時間はあっという間に経ってしまい、いや逆。
かなりの時間を費やしたと思ったのに、この2枚の下書きを作るのに1.5時間くらいしか経っていない。かかったのは準備の時間か。
まだ日もあり、もう少し描けばと思ったけれど、なんかくたびれて止めてしまった。
一瞬のインスピレーション。逃すともう、どこを描けばよいのか途方に暮れたり。
間を置くとまた見えてきたりするものだが。諦めずに行けると良いな。
by HPY
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