絵画制作日誌    Diary INDEXBACKNEXTHOME GALLERY


小倉遊亀展と近代美術館常設展         2002年10月02日(水)

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今日はまた一枚お嫁入りさせた。これでほぼ終了かな。

そのついでに竹橋・近代美術館で小倉遊亀展を見た。

えっと、小倉遊亀はまとまって見たことはなかったんだけれど、たまに見かける壺なんかの絵がいいなぁ、と漠然と思っていた。今回まとまってみた感想は……。(^^;

え……。良くも悪くも昭和の日本画だなぁ、という感じかな。

まず、でかい。でかい画面にワンテーマだから、ますますでかく見える。
(悪く言うと、でかい画面の意義は特にないんじゃないかと。スカスカになるじゃん)

あと気になったのは、後半の静物。すごい金箔・銀箔張りまくりなの。
いいんだけれど、ちょっと鼻についたね。金箔・銀箔張ると、格調高く、質感も出て、高級感にあふれていいんだけれど、全部そうだと……。あぁ、お金持ちじゃん、なんてひがみ根性が。

まぁ、ちょっとなじまなかったということで。

でも、近代美術館常設展を久しぶりに見た。やっぱ常設はいいわ。名作揃い。
その中で気に入ったものをメモったので、載せてみました。ヒマな人は読んでも良し。


石垣 栄太郎(1893-1938)
二階つきバス 1926 油彩 キャンバス

※うすい絵の具がていねいに積み上げられて、油特有の艶がとても美しかった。特に中央女性のでかい尻。面白いし美しいよ。絵の具層がうすく、キャンバスが見えているような感じ。布を巻いたと思われる破損あり。(←もったいない)



前田 藤四郎(1904-19○○)
時計 <技法>リノカット

※リノカットって何だろう?木版のようなガリ版のような。手の位置にある本の挿し絵だけ新聞の類の印刷物をはりつけたようで面白い。


恩地 孝四郎
木版(多色)

※綺麗だったなぁ、中間色。左が灰色、下が黒、右が赤茶と水色っぽいグレー。赤い斑点が飛び散っている。


森 芳夫 (1908-1997)
肘をつく女 1936

※茶色3色で描かれている。遠くから見ると強い、不思議な。 近くから見ると結構薄っぺらいんだけれど、遠くから見ると本当に強くて不思議。 森 芳夫はファンだったんだけれど、いつの間にか死んでいた。知らなかった。


岩橋 英遠 (1903-1999)
鴇(トキ)

※暗い緑地に白い鳥。目の周りと足は朱。 上から下へと砂が降るような黒い筋がとても綺麗だった。 この人も亡くなっていた。ファンだった。改めてこの人は日本画だということを認識する。


マックス・エルンスト (1891-1976)
つかの間の静寂 1957

※なんかよく分からないけれど夜景。すごく綺麗。この人は本当に画面が綺麗(物理的に)。あと黒い線に惚れている。


岡田 三郎介 (1869-1939)
婦人半身像  油彩、その他 、紙

※「その他」つーのは何なのさ、説明として手抜きじゃないの?(^^; 人物描写はテンペラじゃん。バックは漆喰のような……。油はどこで使っているのかな。よく分からない。紙に描いてある割には厚みを感じてその辺も謎。


小杉 放庵 (1881-1964)
青鸞(せいらん) 1938

※すごく綺麗だった。なんか繊維のある紙に、乾いた絵の具をなすりつけるような変わったマチエール。すごく綺麗で格調高い。見ていて清々しい気持ちになったよ。黄ばんだ紙のような色の上に黒灰色の鳥、ザクロの朱。


野田 哲也 (1940〜)
日記:1992年2月17日  木版(多色)シルクスクリーン(多色)

※このテーマで日記と言い切ってしまう所がとても気に入った。

日記:1991年8月23日

※なんだこりゃぁ、と隣のおじさんが何回もつぶやいていた。確かに画材と技法がよく分からない。写真のようでもあり、でも描いてるんだよな。 


イケムラ ケイコ (1951〜)
インテリア (室内 I) 1989 木炭、紙

※綺麗だった。それだけ。この人は全然知らなかったけれど、他にも油絵がもう一枚あって、それもたたずむような静かな雰囲気が綺麗だった。

by HPY


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