2004年06月25日(金) |
読書日記。サラ・ウォーターズ「荊の城 上・下」 |
東京創元社サラ・ウォーターズ「荊(いばら)の城 上・下」を読みました。 M新聞の書評欄で取り上げられてて、ものすごく興味を引かれたので。 というのも、以前同じ作者の「半身」を読んで、見事に「やられたっ」って気分にさせられたから。 「半身」はたしか去年の「このミステリがすごい!」海外部門の1位だったんじゃなかったけ。
さて「荊の城」。 前作と同じくヴィクトリア朝時代が舞台。 主人公はロンドンの下町、故買屋に暮す17歳の孤児スウ。 彼女は顔見知りの詐欺師にある計画を持ちかけられる。 とある令嬢をたぶらかして結婚し、巨額の財産を奪い取ろうというのだ。 スウの役割はその令嬢のあたらしい侍女。 スウはその役割を引き受けるのだが…。
二転三転するストーリー、生き生きとした主人公の語り口、霧のように作品全体にたちこめるヴィクトリア朝時代の空気。 どれをとっても素晴らしく、食事を取る間も惜しくて、一気に読み上げてしまった。 ええわー、サラ・ウォーターズ。 ネタばれしちゃうと困るので、なかなか説明出来ないのだけど、私にとってツボ(いわゆる萌え、だね)ポイント満載でした。 ヒントは「ジュヌヴィーヴとコレット」。 って、ああっ。 よしながふみファンにしかヒントになんないじゃん! …ネタばれしてないってことでいいよな。
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