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2001年05月23日(水) 『砂の器』

ハンセン病判決に国が控訴断念、という画期的な政治判断が出ました。
これは小泉氏個人だから、というよりは、少数派政権で世論の支持頼みの小泉首相だからこそ可能な決断
だったと言えるでしょう。また、これで野党は政権批判の材料を失って、
またしてもコケ役を演じさせられる仕儀と相成りました。まさか、控訴断念にがっかりしてる・・・わけはありませんよね?
ハンセン病について私はよく知りません。戦国の武将、大谷刑部が確からい病ではなかったでしょうか。
あと知っているのは、松本清張原作の映画『砂の器』(野村芳太郎監督・1974年松竹)
で取り上げられていることぐらいですね。
(ハンセンと言うと思わずスタン・ハンセンを連想してしまふ。全然関係ナイ)。
映画『砂の器』は、数多くの自作が映像化され、そのことごとくに「失望させられている」と述べいた松本清張が、
唯一、原作を上回ると高く評価した作品。
原作ではほんの少し取り上げられているに過ぎない、ハンセン病のために故郷を追われた父子の遍路の道行を
日本の四季の中に描いた橋本忍脚本、そして野村監督の映像世界は圧巻です。
余談ですが、昔この映画をテレビで見ていて、明かな言葉遣いの間違いに気付いた事があります。
映画の後半、捜査会議の席上で犯人の経歴を聞いた内藤武敏演じる捜査課長が、「順風満帆というわけか」というのですが、
これを「じゅんぷうまんぽ」と言ってました。「まんぱん」ですよね。スタッフは誰も気がつかなかったんでしょうか?
さて、清張作品の映画化では、私は同じ野村監督による(そして加藤剛主演による)『影の車』が好きなんですが、
これについてはまた別の機会に。


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