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2001年05月31日(木) はっきりものを言う政治

相変わらず田中外相の”真紀子節”が止まらないようです。先日話題となったのは、先の訪中の際の宿泊ホテルの話。
外務省が用意したのは二つのフロアをらせん階段で結んだ最上級のスイートルーム、宿泊費は一泊約30万近い
というもので、あまりの贅沢さに外相は、ランク下の9万円の部屋に変更してもらったそうです。
で、真紀子節で曰く、「今まで累々と、『首相や大臣はそういうところに泊まるもの』という感覚でいた方たちの
顔を思い浮かべながら、なんじゃこりゃと思っていた」とか。(つまり森前首相と河野前外相の顔を思い浮かべたと(笑)
私もテレビのニュース映像で実際にその約30万の個室を見ましたが、なるほど、確かに王侯貴族のような
豪華な部屋でした。こういうところに森氏や河野氏はふんぞり返っていたわけですね。
ただニュースのコメントで、9万円のホテル代を指して、それでも庶民感覚からはほど遠いシロモノ云々、
と言っていたのは気になりました。
庶民からは…って、アナタ、日本を代表する外相ともあろうものが1〜2万円の安ホテルに泊まったら
却ってみっともないでしょうが。7億5千万円もの資産家(真紀子氏)から庶民感覚を説かれるのも違和感がありますが
かと言って何でもかんでも庶民を基準にすればよいというものでもない。こういうのは悪平等というやつでしょう。
ついでにもうひとつ別な事、新聞記事で首をかしげたことがあります。
小泉内閣への90%近い支持現象をどう見るかという続きもの記事なのですが、その中でとある識者が、
小泉首相や石原都知事のようなはっきりものを言う人に喝采を送る傾向は怖い、とのたまっておられました。
何が言いたいのか、私には何故それが怖いのかよくわからなかったのですが、それは私が鈍感なせいか、
この方が特異な感覚の持ち主なのかどちらかなのでしょう。
ファシズムに繋がる可能性があるというのがその理由のようですけど、
だったらはっきりものを言わない密室政治は怖くないんでしょうか?こういう言い方がよくないのは
話をすりかえているからです。本当は、はっきりものを言う人一般への支持が怖いのではなくて、
個別小泉氏が靖国参拝や憲法改正など右よりの思想傾向の持ち主だから、左の立場からは怖い、という事でしょう。
例えばこれが、この点に関して逆の立場にある土井たか子氏あたりだったらどうなのか。
彼女も随分はっきりものを言うし、現にかつてはおたかさんブームとやらで相当の人気を集めた事もありました。
でもその時、はっきりものを言う土井氏に人気が集まることをファシズムと結びつけて怖いと言われた話は聞きません。
また、高支持率が怖い、異常だというのなら、お隣の共産主義の大国は支持率100%ですからとてつもなく異常だし、
そしてそんな怖い国の言いなりに進んでなろうとしている政治家は怖い、と言う事にもなりますが、
でも、多分そうは思わないのでしょうね。つまり左の立場から右の思想が気に食わないと単に思っているに過ぎないのに、
それをあたかも高支持率やものをはっきり主張すること自体が悪であるかのような言説に強引に持っていくところに
進歩派メディアのまやかしがあると思わざるをえません。


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