Memorandum
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2001年06月10日(日) 「頑張って」

(※昨日の続きはまた後日)

むかし、とあるプロ野球団のパーティーで、
親会社のお偉方が彼のチームの助っ人外国人選手に向かって、
「頑張って」と気軽く声をかけました。
横ですかさず通訳が「Do your best」。
ところが件の外国人、むっとした表情で、
「俺はいつもベストを尽くしてるぞ」と答えたそうです。
すると、これを通訳から聞いたお偉方もたちまちむっとした様子になり、
不機嫌に立ち去ってしまいました。曰く、
「なんだ、失礼な。『どーも』ぐらい言えないのか」
・・・日本語と英語のコミュニケーションの齟齬です。
この場合、「頑張って」をdo your bestと直訳するのは間違いで、
グッドラックぐらいに言っておけばよかったのでしょう。
そうしたら相手もサンキューと答えて問題なし。
日本語の「頑張って」と言うのは、あまり意味のある言葉とは思えません。
さて話は変わりますが、ネットを眺めていると、
よく自分の悩みやら想いを打ち明けている人がいて、
それに対して心優しい人が「頑張ってね」「元気出してね」と慰めています。
こういう光景を見るとひどく気が重くなります。
私にはその手の言葉が気軽に出てこない。
というより気軽に言う事は失礼だと言う気がするのです。
相手の悩みの重さと匹敵しないからです。
そんなに簡単に元気が出るくらいなら最初から悩まないはずなので、
何と言っていいのかわからなくなります。
ところが実際には、その程度の励まし文句で、
言われた相手は結構感激しているのだからわけがわかりません。
すると悩んでたのは一体ナンだったの?と言いたくなります。
でも私が多分マジメに考え過ぎなのでしょう。
以前、こんな私でもよくネットで他人の相談事に乗っていたことがあります。
でも段々憂鬱になってきました。
相手の親身になればなるほど、口先だけでは済まない気になってくるからです。
本当に解決してあげたかったら結局、私が直接何かしてあげるほかないのですが、
ネットの向こう側にいて所詮何もできませんし、またアカの他人がそこまでする術も義務もない。
なのに言葉だけの慰めや励ましをして善人ぶっている自分にほとほと嫌気がさしましたので、
もうその手の話には関わらない事にしています。
でもこれも考えすぎなのでしょう。或いは単に私が不器用で、調子のいい言葉が出ないだけか。
ちなみに私自身は悩みや想いは打ち明けません。
見当ハズレな慰めや励ましで、「頑張って」とは言われたくないから。
(って、ここで言ってるよぉ)


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