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2002年05月03日(金) ダブル・スタンダード(二重基準)

「パレスチナ難民キャンプの国連調査団を拒否するイスラエルの強気を支える
米国の『二重基準』にも新たないらだちが強まりそうだ」(朝日新聞)

今朝の朝日新聞の国際面で、アラブ諸国がアメリカのダブル・スタンダードな
立場に対して反発する「であろう」事が報じられています。
つまり、アメリカが、イスラエルの調査団受け入れ拒否を支持する一方で、
同じように国連の大量破壊兵器査察受け入れを渋るイラクに対しては
軍事行使も辞さぬ事を「公然と論じている」のは、ダブスタで怪しからんと、
アラブ諸国と共に、暗に朝日もアメリカを非難しているわけです。

勿論、朝日新聞ならずともこのようなダブ・スタが容認し難い事なのは言うまでもありません。
この記事の読者も朝日共々、それを感じた事でしょう。

さて、話は変わって、今朝のその朝日新聞1面。
そのパレスチナ情勢も「井上参議院前議長が議員辞職」のニュースも押しのけて
「阪神支局襲撃 時効」の記事がトップです。
言うまでもなく、15年前、朝日の阪神支局が襲撃され記者二人が死傷したテロ事件が
時効を迎えた事が報じられているのです。
そして1面のみならず社会面、更には中面でも特集を組んで大々的にこの問題を取り上げています。

テロを断じて許さず、言論の自由を守りぬく報道機関としての朝日の立場・使命・決意が
ひしひし伝わってきます。

・・・ん?・・・あれれ??

何か妙な気分になり、もう一度国際面を開いてみました。
先程の「アメリカの二重基準」への批判がましい記事の横に朝日のエルサレム支局長の署名記事があり、
その中に次ぎのような一文があった事を思い出したからです。

「(パレスチナのイスラエルへの)民間人を無差別に殺戮する自爆テロは決して正当化できない」
と前置きした上で、
「しかし、救いのない手段に訴えねばならないほどパレスチナ人を追い詰めている
イスラエル軍による占領の過酷さや悲惨さを無視することはできない」

うーむ・・・?
この論法を阪神支局襲撃事件に関しても適用すれば、朝日は、
「テロに走らなければならないほど犯人を朝日新聞の姿勢が追い詰めた」事を直視し反省し、
かつテロにも一定の理解をもっていなければならないような気がするのですが?

・・・いや、そんなはずはないので、やはり朝日は自らへの阪神支局襲撃事件に鑑みて、
「たとえいかなる理由があろうとイスラエルの無辜の民間人を殺戮する」パレスチナのテロは、
断じて許し難く、従ってイスラエル支持の立場、なんでしょうか...。

朝日がダブル・スタンダードではないのだとすると・・・
さて、どっちなのでしょう?


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