「日朝交渉 リードする世論/『民意重視』か『合意形成』か」
連チャンの朝日ネタになるが(ナンだカンだ言いながら朝日を読んでいる私もイタイが)、
今日の朝日の朝刊にこのような見出しで、日朝交渉が対北朝鮮強硬論の世論に後押し
されている事に懸念を示す署名記事が掲載された。
冒頭から一部引用すると
「ようやく再開した日朝国交正常化交渉で、拉致被害者やその家族を後押しする
「世論」が大きな決定権を握っている。政府は世論の圧力を感じて強硬姿勢に転じたが、
朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)側も態度を硬化させ、交渉は膠着状態に入った。
外交交渉で重視すべきなのは、自国の民意なのか、相手国との合意形成なのか−。
政府はいずれ、ジレンマに直面する。」云々(朝日新聞 11月8日朝刊総合面)
「民意重視か合意形成か」などと、あたかもその両方の等距離に立っているかのように
提起しながら、実際にはそれ以前に「朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)側も態度を硬化させ」と、
悪いのは強硬世論に後押しされた日本側であるとの結論が出ている。
つまり世論を無視して北朝鮮の言いなりに早く国交正常化しろという、トンデモない主張である。
このような記事を掲げたのは、世論が思う通りならない事に対する朝日の苛立ち
の表れであろうか。
ちなみに、同じ朝日の今日の朝刊の第2社会面に「市民団体、訪朝団派遣へ」という
記事が掲載されている。内容は、「反核団体」のピースデポとピースボートが
来年1月に訪朝し非核条約を提案する、などという愚にもつかぬもので、
要するに市民を僭称する左翼団体が北朝鮮と合作で演ずるパフォーマンスへの提灯記
事に過ぎない。
何のニュース価値もないこのようなどうでもいい記事をわざわざ報じていながら、
一方で対北朝鮮への大多数世論を否定する朝日の頭の構造はどうなっているのであろうか。
朝日の投書欄である「声」には、連日のように在日朝鮮人からの投稿が掲載されている。
全掲載投稿の10に一つは在日からのものなのだから、
この割合から逆算すれば日本には在日が1000万人ぐらいいるのかと思われてくる
偏重振りである。
その内容も例によって「チマチョゴリへのいやがらせ」だの「過去の日本の植民地支配」だの
被害者振りを前面に押しだしながら日朝友好を促すもの。
勿論投書は在日のものばかりではない。
本当に実在する朝日信者の投書なのか、それとも朝日編集部の作文なのかわからないが
北朝鮮寄りの立場からなす意見が専らである。
つまり、これが朝日の支持する「正しい世論」のあり方というものなのだろう。
これらを見るに、近々社論の「大転換」を意図している新聞の姿勢とはやはり到底思えない。
むしろ、かつて新左翼運動が破綻する過程で、追い詰められた一部が赤軍派のように
極左過激化して行った如く、朝日もなりふりかまわず反日路線をより先鋭化させていくのでは、
とさえ思えてくる。
まあ、それはそれで、朝日が世論に背理してまで自滅への道を加速するのならば、
結構な話ではあるが。