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ラヂオスターの悲劇
トマーシ
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2003年10月07日(火)
第三京浜

 久し振りに第三京浜をバイクで走った。ちょうど良く友達と休みが合い、不意に電話が鳴り、そんなこんなで。昼をだいぶ過ぎたころのこと。その友達の彼女は風邪で寝込んでいた。僕は朝から洗濯くらいしかせずに持て余し気味、結局二人とも追い出される感じで、幾分不安定な空模様の下に飛び出した恰好だった。
「ここでブーと鳴いてみろ!」
「ブー!」
「ブブブ?」
と、まぁ退屈しながら、環八を伝い、玉川通りを越える。用賀の乗り口に着いたころには時間は午後4時を廻っていた。いつも不思議な気持ちになるけれど、第三京浜用賀入り口は螺旋状に坂を一回半下り、栓を抜いたみたいに広い道路に出る。幾らアクセルを開けても250、シングルの非力なマシーンではとても掻きだせないほどに道が続いている。その日もとても空いていた。前に行き、後ろに回り、伸び伸びと走らせることが出来る。メーターで見ると120をマックスに 針は常に緊張し続ける。この道は素敵なラモーナを決めるのと同じくらい気持ちいい。見ると空は異様な雲に包まれてアスファルトは不思議な色を映していた。地獄の風景はきっと美しいに違いない。その光は賽の河原を思わせて、僕はドキドキした。
あっという間に保土ヶ谷まで着いてしまう。