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ラヂオスターの悲劇
トマーシ
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2003年10月11日(土)
声 ボブ・デュラン

 初めてボブ・デュランの声を聞いたのはもう十年も前になるのだから、それは相当に昔のこと。僕は周りに田んぼしかない高校に通う道すがら、120分テープをウォークマンに詰めて、ペタペタと自転車を漕いでいた。ちょうどデビューアルバムの国内盤が再販されたからじゃないだろうか? 地元から一歩も離れることもなく僕はアルバム「ボブ・デュラン」を買うことが出来た。一曲目に「彼女は良くないよ」が入ったアルバム。でも、一番最初に買ったのは20曲入りのベスト盤、白地のバックにキャデラックが写った1000円の廉価盤だった。
 そういう俗悪な商売はまだ出始めの頃で、僕はほかにエルヴィスとビートルズのラバーソウルを買った。三枚で3000円。でも今はCDR代だけで済むのだから、三枚合わせ見積もったって500円も越えない。世相も変われば変わる。
 とにかく、そのベスト盤の一曲目は「風に吹かれて」それから「時代は変わる」「ミスタータンバリンマン」と続く。ふっと一息ついて「ライク・ア・ローリング・ストーン」
 フォーク時代のボブ・ディランは特別に特別だ。この気持ちばかりは説明が付かない。
 ファーストアルバムを作りおえてすぐに「フリーホイーリン」は出来たんだったと思うけれど、これはもう恐らく文学上においたって傑作だといえただろう。歌詞をむさぼり読み、何度も何度も聞き返した。いつもいつも口ずさんだ。口ずさまない日はなかった。聞きながら一緒にハーモニカを吹いたり・・・ 映画を探してきたり・・・