この前の日記で戦争等について恥ずかしながら述べさせていただいた矢先なのですが、私の家族はどうやら掃除や後片付けが嫌いなようなのです。え? 話の繋がりがおかしい? いやいや実は関連がありましてあまりにも片付けをしないでいたらさすがに飽和量を超えてしまいまして最近家族総出で家の中の整理をしているのですが、祖母の荷物から昭和三十年ごろに我が家に送られてきたらしいタライだとか物凄いものがたくさん出てきましてうちって確かに新しくは無いのですがまだ築25年程度なのでそんなものが出てくるはず無いんですがねぇどういう事よ。で、そんな荷物の中に古新聞もありまして、中でも極めつけは昭和十八年十一月一日と二十年一月四日の朝日新聞でしてこれはあたりまえですが第二次世界大戦真っ只中のもので記録映像や教科書の写真でしか目にすることが無かったような旧日本軍を褒め称える記事で埋め尽くされた現物が発掘されたわけです。 いや、何と言うか感動したと同時に呆れました。我が家の物持ちの良さに。
まあ我が家の物持ちの良さといいますか要するに面倒くさがりで整理整頓が嫌いな性質だっただけなのですが、そんな事はどうでもよく本当に当時の日本国民は洗脳されていたのだなぁと素直に思えるくらい旧日本軍の栄誉で埋め尽くされていました。昭和二十年一月四日なんてもう敗戦の直前で物資も無くどうしようもなかった状況のはずなのに大見出しは「サイパン痛爆」でして日本軍優勢という記事ばかりです。テレビも無い時代ですから、こんな情報ばかりが流されたらそりゃ洗脳されるわなぁと感慨しきりです。すごいなぁ。
また訃報のところも要注目でしてこの日に八十六歳でなくなった花田仲之助さんという方の履歴を見ますと「翁は若干十七歳で大西郷に従ひ西南の役に参加」という度肝を抜かれる履歴がかかれております。西郷隆盛に従って西南戦争に参加した人が現役でこれまで生きていらっしゃった世界なわけです。横文字が右から左に書かれている時点でもはや想像ができないというのにこれはやられました。すごいなぁ。
他にも紹介したい場所はたくさんあるのですがあまりにも多いので最後に一つだけ紹介して終わる事にします。 広告もまた突っ込みどころの宝庫なわけですが、中でも凄いインパクトがあったのは、「撃滅の 気魄をこめて 二円出し」という売り文句と共に掲載されている「弾丸切手」というものでして一等千円とか書いてある辺りを見るにどうやら郵便局で売られていた宝くじだと思われます。撃滅の気迫を込めて宝くじを買うなんて私にはできません。感服いたします。すごいなぁ。
ああ、「朝日新聞」という一面の右上に書いてあるロゴは今も昔も変わらないんですね。知りませんでした。すごいなぁ。
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