物事は、真面目に取り組む者が居る限り、進歩します。たとえそれが遊びごとであろうと、進歩します。何のお話かと言うと、お久しぶりのPSOサッカーの話です。
このPSOサッカー、ラグが酷い上にどうやらプレイヤー同士の同期すらとれておらず、出来る行動と言えば短く蹴る、長く蹴るの2種類だけ、それもボールが転がっている最中は蹴れませんでドリブルするもカットするもほとんど運と言った様相を呈しております。加えてボールが約一分おきに消滅して十数秒後に真ん中から出現しやがりますし回線の「状態の良さ」が一番の勝因となる点などなどまあサッカーと呼ぶには少々アレな気がする遊びなのですが、それでも進歩しているのです。 なんというかいわゆる常連という方々はどんな世界にも居るらしく、私が行っているサッカーロビーにも毎回必ず集まるメンバーがいます。大体、6、7人程度がそんな感じですかね。で、私もその中の一人なのですがなんとも喜んで良いのかこの歳にもなって泣いた方が良いのかむしろ後者なのでしょうが何度もやっているうちにプレイ中に無言のコンタクトが出来るようになってしまったのです。アイコンタクトって奴ですかね。キャラは表情変えないし視線なんて送れないのでおそらくもっと特殊な何かというか結局のところはオタクパワーって凄いねと言う様な話になってくるのですがまあそれは置いといて、本当に、スルーパスやらワンツー等の連携、またフリースペースを見つけて走りこむ者等の技術が普通になりつつあるのです。
これって、すごい事だと思うんですよ。 このゲームは、あたりまえですが本物のサッカーと違って与えられる情報が限りなく少ないのです。視界はキャラの前方のみで首をふって確認なんてできやしない。細かい音はもちろん聞こえない。まして前述の通りのボールなので細かいボール捌きなんてできない。そんなゲームなのに本物のサッカーと同じ「楽しみ」が見出せてしまったのです。もちろん、攻めるだけでなく、それを守るほうもわかっていなければ守れないわけです。なんたってキャラの走る速度が一緒だから独走を許すととんでもない事になります。この辺り妙にリアルです。 何故そんな事が出来るかと言うと、「予測」と「勘」と「呼吸」が「わかる」からです。別に、昨今のゲームにおいて最重要されている様な、キャラのパラメータがどうのだとか、コマンド入力がどうのなんて事は一切ありません(多少のパスの正確さは必要ですが)。この「意思の疎通」こそが「ゲーム」だと私は思うのです。形は違いますが私が対戦ゲームで長いこと追い求めている「最高の一瞬」と同じベクトルの意味を持っているのです。
しかし、こういうことを書くと「だったら本物のサッカーやれよ」と言ってくれるご親切な方がいらっしゃいます。
できるならやってるっつーの。
いやいや私はサッカーは多分ド下手ですが大好きですしお呼びがかかればいつでも出陣いざ鎌倉精神に満ち溢れておりますので誰か呼んでくださいよ。しかしまあ、人数の問題、場所の問題、体力とその後の学校や仕事への影響の問題などなど、ある一定の年齢を超えた人間にはサッカーをやるという事は(といいますか大人数によるスポーツは何でも)簡単な話では無いのです。だから、私はゲームセンターで一瞬を追い求めるのです。なぜなら、自分一人が暇ならばいつでも行けて、色々なところにある、唯一の、人と人とが織り成す最高の一瞬を得られる場だからです。他にもあるかもしれませんが私はゲーセンくらいしか知りません。 で、そんな物を追い求める人間はアレな感じのアレな人にはアレな感じで程よくアレでしてまあその辺りは今まで書いてきた日記を参照していただくとして根本的に「意思の疎通」はできないわけです。そして、逆に、対戦ゲームというものはその様な「意思の疎通」により成り立つのだと思うのです。意思の疎通にとって難しい連続技なんてものはいらないのです。
だから私は、ゲーム自体にはほとほと飽きた今でもPSOをやっているのです。
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