あたし、うたをうたっていること。 学校入学の書類を書いた、父親以外は知らない。
あたしの通っている専学に興味を持った子達が見学に来た。 二時間粘ったけれど結局、専攻を吐いた。 何でだろう、何か進学に協力してあげたかったから。 だけどあいつが、またあたしの専攻を聞いてきた。 あなたには関係の無いことよ。 何でもかんでも立ち入ろうとしないで。
あたしには夢だった。 どれだけの時間掛けて、どれだけ体を巡らせて。 此処まで辿り着いたと思ってるの。 此の想いを護る為に、どれだけの嘘を。 どれだけの傷を。 どれだけの苛立ちと、戦いを見てきたのか。 知ってる? 此れ以上、誰にも云わない。 あたしの何かが壊れそうだよ。 それでなくともどんなに場違い感を、身に触れさしていると思う。
此れ以上、近付かないで。
誰も。
誰も。
今でさえ尚も、夢を想うと。 屈折した感情に、腕を裂いてまで。 堪えて逃げたくてもずっと、此処で。 気狂いじみた腕。 伸ばして伸ばして、何時か必ず届くように。
誰にももう、触らせない。
嘘吐くことにも、もう慣れたから。 傷付けても構わない。
絶対に護るもの。
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