⊂ニガウリ⊃
2002年08月03日(土)

朝、庭を歩く、まるで御爺ちゃんのような日課を持っている。
田舎の家の敷地といっても、そんなに広い訳じゃなく。
ただ、見渡す限り、緑。
其処を1時間以上かけて何度も同じ場所を歩く。

先ずは家の前の坂道に向かい。
すぐ側にある墓地を、道に座り込んで眺める。
いずれ自分もあの場所に眠るんだ。
いずれ、ばあちゃんも、父親も、きっと。
そうして焼け始めたアスファルトにてのひらを当てて。
立ち上がり今度は庭に向かう。
あたしのてのひらよりも大きい、ハイビスカスに似た花も。
赤い百合も、白い百合も。
もう、枯れ始めた。
テッセンも咲かなかった。
そんな中で以外だったのは、ゴーヤの花の匂いの強さ。
ジャスミンに似た甘い匂いがする。
蔓をトマトに絡めてまで、必死に生きていた。
裏山には実の落ちたブルーベリー。
栗も柿も柚子も在る。
柚子と山椒の木には、アゲハの幼虫が棲んでいて。
黄色い角で、蝉の抜け殻を威嚇してる。
オレンジ色の花は、ソテツに依存していたし。
カブトムシを踏むと、相変わらず乾いた良い音がする。
余命少ない蝉は、空の方から降ってきて。
砂利道の上、羽を縺れさせてないた。
蜘蛛の巣は濡れて雪みたいに積もり。
奇形児の様な薔薇は、撓垂れていた。

雨の日も止むことのない、脳みその中の世界創り。



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