セクサロイドは眠らない

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2001年06月25日(月) 「消滅」という代償

その、しなびた老人は、執拗に私の腕をなでさすりながら言った。

「お前はいいね。お前は死なないんだろう?」
「私だって死ぬわよ」
「そうなのかい?」
「ええ。そうよ。永遠に生きて行くなんて悲劇と思わない?」
「そうかねえ。私は、お前がうらやましい。」

巷では、愛情を植えつけられた子供のロボットの話が話題になっているが、何というひどい話だろうと思う。知性やら愛情やらを、永遠の肉体に閉じ込められるなんて。

アン・ライスの小説に出てくるヴァンパイヤがしでかした一番の悲劇は、子供のヴァンパイヤを作り出してしまったことだ。永遠に子供のままの肉体に封印された知性が抱く、果てしない慟哭。

私は欲望を得た代償に、いずれ消滅する。欲望は、「終焉」への歯車の悲鳴。私の消滅はあらかじめ仕組まれている。


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