徒然エッセイ&観劇記
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2001年06月29日(金) 「キャンディード」6月23日分観劇記

宮本亜門演出(だばだ〜)ミュージカル畑の人とオペラ畑の人が半々キャストで、オーケストラは佐渡裕さんが指揮!!
ぬおー。てわけで、見事にミュージカルとオペラとクラシックが融合したエンタテイメントになっていましたっ
客席も、「宮本亜門派」と「ミュージカル(特に石井さんと岡さん)大好き」と「オペラ好きなおじさま」と「クラシック佐渡ぶらばー」が混在。これでそれぞれの垣根が崩れて、お互い違ったジャンルに手を出せればいいなぁと思いました。
ミュージカル畑からチャレンジした私も、オペラ結構いいじゃん、クラシックやっぱすごいじゃん、宮本亜門イカス(←死語?)じゃん!ああ、いっぺんに堪能できてラッキー♪てな気分です。
それというのも「キャンディード」っていう融合にぴったりの題材があったからで。レナード・バーンスタインよ、有難う☆

さて、ここからは私の印象に残ったキャスト評などなど。基本的に甘甘です。辛辣タイプが好きな人は見ない方が良いですよ。

☆いじられ役キャンディード石井一孝!!ぶらぼ〜〜☆

石井一孝さんといえば、「レ・ミゼラブル」(天然)マリユス役で名高いお方(笑)がしかし、私は戸井マリユスしか見ていないんで、舞台の石井さんを見るのは初めてだったのです。CDで聞いてる限りだと、「何かスカした奴〜」と思っちゃってたんですが、やはり生で見ないと分かりませんね(汗)キャンディードでそんな印象はぶっ飛びました。
だって。ああ!これが天然アホ王子様!!(←褒めてます)
もう、立ってるだけで(ぼく・・・)て吹き出しが身体からにょろ〜んと出てるの。恋したら、その人のことしか考えてませ〜ん、ちうか単純、純朴、素直。
声質もそうなんだね。いつも精一杯に、自分の心に素直。甘え半分、突っ走り半分。ステキな歌声です☆
ほんでさらに私のツボだったのは、セリフの声!
特に「え!?」があまりにもステキ☆
この「え!?」は、苦難に遭ったりびっくりしたとき、半分裏返ってカン高くすっとんきょーにアホっぽくツッコミ交じりながら純粋に発せられます。
この作品は、キャンディードを次々不幸に見舞わせるというマゾミュージカルですから(おいおい)「え!?」以外にも「は!?」とか「うわーーーーっ(泣)」とか「やめて〜〜」とかあらゆるアホな奇声がばしばし飛び出します。
それがまた、可愛いの!!!!!(って石井さんて何才だ?)
「キャンディード」見て「え!?」にシビレない人がいるのか!?て思っちゃうくらい、私の中であの「え!?」は超収穫でした(笑)
バングロスを呼ぶときの「先生ーーーーーっ!!!」て言い方も、マンガチックで良し。もう、セリフの全てが可愛い☆(だから私より年上だってば)

というわけで、石井一孝さんは舞台の間99%キャンディードでした。
もう私、石井さんが出てくるたび「きゃー!キャンディーー!!」
しかし1%マイナスは、一度セリフをトチった分です。
役者はトチってはなりませぬ。その瞬間、役が役者に立ち返って見えてしまうからです。
うーん、惜しかった。あれがなければ100%だったのに!山口さん以来の高得点だぞ〜

☆日紫喜恵美クネゴンデ名前勝ち!!

対してキャンディードが一途に恋い慕うヒロイン、クネゴンデ。名前だけ見ると何かゴツい(笑)
この役はオペラ畑のソプラノちゃんトリプルキャストでして、私の行った日は日紫さん。(あとの二人は増田いずみ・鵜木絵里)
カワイイ!(声とフリが)ウマイ!(歌と芝居が)ステッキ〜!!
このキャラは、何かツッコミ所がなきにしもあらずな波乱バンジョー人生なんですが、もう何でもOK。とにかく芝居のキャラとして、ステキ。イヤミがないっちゅうかね。オペラの人って歌だけじゃないのね(←偏見)セリフの声も、カワイク高くて。
それに歌が、「オペラ座の怪人」のカルロッタも真っ青なうまさなの!!やっぱオペラの人は、声量と技量が格段に違う!!
でも私、オペラ慣れしてないので、オペラ声出されると何て言ってるのかよく分からない(汗)慣れると違うのかも。それに歌声が聞き分けられないとストーリーが分からないタイプのミュージカルではないし。大丈夫さ。
オペラグラスで姿を覗くと・・・伏目がち?てか目細い?もしかして王様のブランチの姫様?(違)
でも容姿はナンでもいいわ。舞台に容姿はあんま求めないのよ私(だってあんま見えないし←安い席だから)やっぱミュージカルは声よ☆

☆黒田博バングロス先生

ええと、初めてです。歌も演技もお上手。たまに歌ってるとき何て言ってるのか分からないけど、それはご愛嬌。
コミカルで無意味に渋い感じの声が、バングロス先生にぴったしかんかんでした(←死語?)

☆岡幸二郎マキシミリアム・・・はいはい

ええと、これについてはいろーんなひとが書いてるはずなので、略す!
一言で言うと「♪ぼくはハンサム〜」と歌いだし、女装して女声で歌ったり踊ったりした。岡さん出るたびに客席から笑いが。をほほ
私にはアンジョルラスのイメージが強いので、あっちのがいい・・・(ぼそっ)

そうそう、マキシミリアムとキャンディードが一回ずつやったんですけど、男性が両手で股間を押さえる姿って何でああかわいいんでしょう(たわけ)

☆えっちくてかわゆい、バケット役シルビアちゃん

この前までマダム・ヴォルフだったシルビア・倶楽部(誤植)様。
いきなしバングロスさんと結合してるし(笑)今回もまた、はじけまくり、やりまくり、ごんぬずばー!!でした。
バケットちゃんエピソードといえば、マキシミリアムと話していて、オーケストラの音楽がうるさくて聞こえずらくなっちゃって、「おんどりゃー静かにせい!」とか言うと、演奏がぴたっと止まって「あ・り・が・と☆」てお色気ぽおずでのたまうシーン。佐渡さん、ニタニタ?

☆おしりが片方の中島啓江さん

うーん。ほんとにおしりが片方食べられて「ない」かもしれないと思わせるハマリっぷり。
中島さんソロでタンゴ調の音楽をやるとこでね、左右でタンゴ踊ってる男女ペアが気になってしょうがなかったの。中島さんそっちのけでそっち見てた(笑)ステキ!!

☆理想的な語り役、ヴォルテール岡田眞澄殿&宮本亜門演出

作家ヴォルテールという設定で、最初から最後まで、出たり入ったりしながら物語の進行をコミカル・渋・マジめに語ってゆく。出すぎず、引っ込みすぎず、的確なタイミングで語っては消える。「語り手」として理想的な位置にいたと思います。
喋りが聞きずらいとおっしゃる方が多かったですが(汗)私は特に気になりませんでした。いい声ですよねん。

岡田さん関連シーンといえば、キャンディードが船で難破するシーン。
岡田さんが「帆が折れ、波しぶきが襲い」とか言うたびに、キャンディード一行が舞台中央で「ぎゃーー!!」ってのたうち回る。
段々、語り手のいう言葉を芝居が追いかけるようになって、
岡田「船が・・・」
キャンディード「え?(次は何〜?)」
岡田「真っ二つに割れます!」
キ「ぎゃーー!!!!」
このテンポがサイコー。

それから、こういう「芝居してます」顕在化演出といえば、キャンディードたちが同じセリフを(わざと)二回繰り返して言っちゃって、岡田さんが「君ら、繰り返してるよ」って突っ込むシーン。
もともとキャンディードの台本にあったのかもしれないけど、何か宮本亜門さんはこういうの好きそうだなーって思いました。
最初に全出演者が出てきて御挨拶してから、話が始まるのとか。劇である、エンタテイメントであることに自覚的で、それを作ることを楽しんでいる。エンタテイメントって自覚なしには出来ないですからね。
演出とか小道具は、ある意味「安っぽい」とか「ありきたり」とか言われそうだけど、そんなのも含めて、エンタテイメントである宮本さん劇、また見に行きたいです。
それに三段階の高さに円形に通路を作った舞台装置は、すごく良かったと思いまっす。
閑話休題。

何故岡田さんをヴォルテールと呼ばないかというと、何となくあれは「岡田さん」だったからです・・・語り手は幻想しずらい?
そういえばルキーニも、「高嶋兄ぃ」としか思えないなぁ・・・

☆アンサンブルの方々

主にオペラ界からなんでしょうか?うまい!ステキ!合唱サイコー!!
一番印象的だったのは、「火あぶり」のシーン。後ろで超楽しそうにぶりぶり踊ってる女の人(笑)
♪楽しい嬉しい処刑の日♪
ここ、ジーザスの鞭打ちみたいだなあ。キャンディー打たれてるし(きゃー←喜)

☆ナゾの猿軍団

四匹・・・オス2匹 メス2匹 全身茶タイツ
コカンにオスは布製ぺらぺらち○ち○、メスは○毛をくっつけてる(笑)
「うまそう〜」宣教師の肉が好きらしい。
「ばぁーいばぁ〜〜〜い」実はアホでふれんどりー

嫌いな人もいるかもしれないほどアホ丸出しなシーン。私は好きだなあ(爆)

☆オーケストラ

レナード・バーンスタイン最後の愛弟子、佐渡裕指揮!!
って、三階席だったので、ほとんどその指揮姿は拝んでおりません。
しかし、音は良いです。ほんとに、良い。さすが本職。
いや、四季や東宝のやつを本職じゃないって言ってんじゃないですけど、あっちは何というか「音符をなぞる演奏」使ってる楽器の数も少ない。
こっちは「魂込もってる演奏」プロだわ。どこもこうだと、すごいんですけどね。
オーケストラといえば、「オペラ座の怪人 ロングランキャスト版CD」の演奏のちゃちさが許せない。「オリジナルキャスト」はあんなに豪勢なのにーっ

☆ストーリー

チラシとかでナントカ主義がどうのってムツカシく書いてあったんで、ナニかと思ったら、むっちゃ楽し&アホでびびった(笑)
まあ最後はちょっとマジメだけど。つまり現実は形而上学に勝るってことでしょ。善だの悪だの考えてるより、日々の現実生活を充実して送ろうよってことさ。
でも別にこれを見て「深く考える」必要はないと思う。結局当たり前のことだしねぇ・・・
キャンディードはアホなままの方が好きだなあ(おい)

というわけで、いつになく長文になりました。だぁい好きです☆再演求む!!!


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