中学生の頃、部活の帰りなどに、よく立ち話をしていた。家の近い子数人と、そこから先は道が分かれる場所で、だらだらと暗くなっても喋りつづけた。内容は、たいしてなかったかもしれない。それでも毎日のように何か話していた。勉強のこと部活のこと委員会のこと教師のことクラスメイトのこと男の子のこと。疲れなかったし、話も尽きなかった。 高校生になり、大学生になり、社会人になり、立ち話なんてほとんどしなくなった。大抵どこかに座って話すようになった。語彙が増え、知識や知恵もつき、内容も深くなったり濃くなったりした。しかし、あのわけのわからないエネルギーは、 すこしづつ外に出なくなっていった気がする。こころのなかに、いまだ燃えてはいても。
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