何事にも初めてという経験はつきもの。 今回初体験したのは、二度と体験したくなく物語り。
ダイビングは、ライセンスを取ってまだ3年。モルディブ以外では、あまり潜らない。
その日は午後から、有名ポイントへ。今回の旅で3回目のダイブ。 ゲストは2人だけ。香港のガイドさん1名。 エントリーしたときから、かなり期待できそうなポイント。サンゴもしっかり生きている。これまでのダイビングの中でも、ベスト3に入るほど綺麗なグッドポイントだ。
スティングレー、ギンガメアジの群れ、ナポレオンから、ハゼ、ウツボにサメ…。 思わず時の経つのも忘れて、水中DV撮影。
ガイドがエアー残量を聞いてきた。水深は13メートル。
私は、片手で55BARと指で示した。 そろそろ水深5メートルまで浮上して、3分間の安全停止に入らないといけない。
奥様は、60BAR。なのに、ガイドさん、奥様に自分のオクトパス(もし、エアー切れを起こした人が居たら、自分のタンクの空気を吸ってもらえるようについてるもう一個の吸い口)を与えている。 この時点でなんかへんだなぁと気づくべきだった。
ガイドさん、9メートルの高さまで浮上して、そのまま平行移動で、別のコーナーへ向う。周りの美しさに見とれながら、続く。もっと潜っていたいなぁと心から思いながら…。
しかーし、その状態のまま5分経っても、まだ水深は9メートルのまま。まあいいか。でものこりのエアーあと40なんだけど。 さらに5分、水深は変わらず。残りエアー残量30。
あっ、あのーそろそろ浮上しません?
ダイビングコンピューターの水深は依然9メートル。
まっまさかとは思うんですけどぉ…
残量計が20に。ピコピコと警告音も鳴る。 ガイドさん、いっこうにお構いなし。ちと何気に、上の方まで上がっとこうっと。ハハッ。水深7,4メートル。
ひょっとして、気づいてない?
いくら暢気な私といえど、ちと気になってきた。もうロケーションを楽しむ勇気なんてない。 仕方ないので9メートルまで潜りなおして、慌てて、ガイドの前にでで、残量計を見せる。
「!!!!?」
マスク越しに、ガイドさんの目が大きくなったのが分かった。
あっ!やっぱりぃ〜。
ガイドさん、慌てて、自分の咥えていたレギュレーター(自分が吸うための吸い口)を私に差し出す。だけど、あなたはどうするの? もう一方のオクトパスは、奥様が咥えているんですけどぉ。
というわけで、あってはならない緊急浮上。残りのエアーは、10を切っていた。
どうも、55と出した時、100と勘違いしたらしい。
ゴメンナサイね。…もう少しで3人とも水死でしたね。 幸いだれも潜水病にもかからなかった。 今後は気をつけます、ハイ。
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