umityanの日記
DiaryINDEXpastwill


2001年11月12日(月) 白黒映像のなかの子供達

何気なしに深夜テレビをつけた。おや「白黒映像のドキュメンタリだ」。懐かしい。小さい頃、白黒の画面を見た記憶がある。とある山のなかの小学校での授業風景を映じていた。子供達は皆、ちゃんちゃんこというのか、どてらというのか、それらをはおっている。女の子はもんぺ姿だ。冬は身も凍るほど寒いのだ。教室にはストーブがあり、なべがかけてある。湯気がほかほかと昇っている。ふっとよからぬ考えがうかんだ。「あのなべで、熱燗をして飲んだらうまいだろうなああーー」。おっといけない。脱線だ。山の小学校にテレビがやって来た。学校を持ち回りで、一月間、授業に使われる。テレビの画面に見入る子供達。その表情が良い。目がいきいきとして、輝きを放っていた。ある者は口をぽかんと開いて驚き、まゆをしかめたり、真っ白い歯をむき出して、笑ったりしながら、画面に見入っている。その表情は汚れをしらない、赤ちゃんの百万ドルの表情に似ていた。また、戦闘地域で、銃を持って笑っている子供兵士や、食糧難にもめげず力強く生きている子供達の目の輝きにも似ているような気がした。
授業には先生に対する信頼感というか、一体感が感じられ、昔はどこでもああいう風景が一般的だったのだろう。何故か古き良きものへの郷愁を覚えた。皆、一様に貧しく、そのなかでは差別も、おごり、たかぶりもない。あるのは、思いやりである。
果たして現代社会はどうか?。飽食と物質過多で、にっちもさっちも行かなくなった現代人の姿が見える。目の輝きも失われた。同時に心の輝きもない。若者が希望を見出せない時代。こういう社会になった原因を定かには言えないが、もっと謙虚な心をもって、日々を生きなければいけないように思う。
もう一度、物質的貧しさを経験すれば、心の貧しさも回復するかもしれない。昨夜の白黒映像にでてきた子供たちが印象的だったので、思わず書きとめてしまった。


umityan |MAILHomePage

My追加