風の行方...深真珠

 

 

死神の微笑み <19> - 2003年03月24日(月)

フロントで聞いた道順通りに行くと、コンビニがあって、客も6人程入っていた。
スポーツ新聞を買う人や、たばこを買う人、弁当を買って温めてもらっている人など、街は少しずつ動き出していた。
そして、空気は人の吐き出すネガティブな部分を吸収し始めていた。
僕は、缶コーヒーと野菜サンドイッチと惣菜パンを買った。
帰り道で、ふと前方に髪の長い少女が歩いているのが見えた。
昨日の少女ではないかと思い、走って少女の前に出て振り返ったが、違った。
昨日、浜辺で出合った少女ではなかった。
いきなり男が前に現れたことに、彼女はびっくりしているようだった。
少し怯えていた。
「す、すいません。人違いでした。」と軽く頭を下げると、彼女は下を向いて、逃げるように走り去ってしまった。
−僕は一体、何をやってんだ−
一気に気持ちが沈んだ。
部屋で、野菜サンドイッチを食べながらテレビのニュース番組を見ていた。
いつ雪が降ってもいいように準備をしておきましょうとか、路面凍結に注意ということを何度も繰り返し言っていた。
大阪で、ニュースキャスターが関西弁で話をしないように、今映っているニュースキャスターも新潟弁ではなかった。
もう少しで8時というときに、お天気コーナーが始まった。
雪は来週あたりには降ると言っていた。
テレビの中のお天気お姉さんは、ずっと笑顔だった。
だが、明日になれば忘れているだろうと思うような笑顔だった。
お天気コーナーが終わるとテレビを消して、窓からの景色を眺めた。
やっぱり綺麗な景色だった。
部屋に飾っておくには最適だと思った。
でも、さっき見た景色のほうが綺麗に見えた。
そして僕は、浜辺に出かける準備をはじめた。


19まできたのに、まだまだ先は長いです。

今日はそれだけ。


...




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