死神の微笑み <21> - 2003年03月26日(水) 気分はすっかり良くなっていたが、僕は頭を抱え込んでうずくまってしまった。 「どうしたんだ。何かおかしいぞ。」と何度も何度も呪文のように唱えた。 なんだか昨日から頭がおかしくなってしまったように思えた。 そのとき、僕の隣に誰かが座った。 びっくりして顔をあげると、それはあの少女だった。 少女は、無表情のまままっすぐ海を見ていた。 昨日は夜のせいでよく見えなかったが、鼻筋が通っていたし、すこし潤んだ綺麗な瞳をした綺麗な顔をしていた。 少女はスニーカーを履いていて、青のジーパンに襟元と袖口に毛のついたブラウンのジャケットという服装だった。 よく似合っていると思ったが、少なくとも死神の格好じゃないと思った。 今日は少女が先に口を開いた。 「あなた、もうすこしで死ぬところだったね。」 「えっ?どういうこと?君が僕に何かしたの?」 「言ったでしょ。私、死神だって。」 いつもと同じ平坦な口調だったが、「そんな変なことは聞くな」と言ったように感じた。 「なんだか、昨日からおかしいんだよ。ここに来てから、自分が何を考えているのかまったくわからない。 頭がどうにかなっちゃったんじゃないかって思うよ。 確かに僕は、ここに「何か」を求めてやってきた。でも、違うんだ。 今の僕は、僕が求めた僕じゃない。」 今の気持ちを正直に吐き出してしまった。 自分の中だけでは、抑えきれないところまできていたし、この少女なら、分かってもらえるかもしれないと思ったからだ。 少女は、まったくこっちを見ようとせず、相変わらず海の方を見ながら言った。 「すべて、あなた自身が望んだことよ。」 「だから、違うって言ってるだろう?こんな風になるはずじゃなかった。 この旅で僕は「何か」を見つけて、感じ続けてきた「違和感」を消し去るつもりだったんだ。」 僕の口調が徐々に強くなっていった。 「こんな風になることを求めていたんでしょ?」 「何を言ってるんだ。人をバカにするのもいい加減にしろ。 お前に何がわかるっていうんだ。 僕がこんなことを望んでいるだって?人の気持ちわかってるような言い方するなよ。 僕は自分の中に「違和感」を感じてずっと苦しんできたんだ。 その苦しみが君にはわからないだろ? それに、だいたい君は何者なんだよ。 自分が死神なんてちょっと狂ってんじゃないのか? 人を殺せるのか?んじゃ、僕を殺せよ。ほら、殺してみろよ。 なっ、殺せないだろ? 人をからかうのもいいかげんにしろ。」 挑発じみた少女の言葉に、僕は思わず立ち上がって声を張り上げてしまっていた。 昨夜、ちょっと嫌なことがありました。 汚い言葉をぶつけられました。 きっとたいしたことはないんでしょうけど、 ふいを突かれた感じになった僕はとても悲しくなりました。 一時間ちかく震えが止まらなくて、不眠時の薬を飲んでました。 意外と熟睡でしたが(苦笑) 今でも体が微妙に震えている。 そして、きっとこれが殺意であろうという思いがでてきた。 生まれてはじめてこういう感情を感じて、 何気に嬉しかったり・・・? 僕にもこういう感情があったんだなぁって。 でも、やっぱり頭の中で身元割り出ししたり、 実際に会いにいって、拉致して、殺していくっていう妄想するだめでも、 僕っていやな人間だなぁと思ってしまう。 はぁ・・・食欲がない ...
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