死神の微笑み <24> - 2003年03月29日(土) 部屋に帰ってしばらくテレビを見たりお茶を飲んだりしていた。 それでも僕は落ち着かなくて、マスターベーションをはじめことにした。 時の爆発的膨張を経験し、体の隅々まで「違和感」が這い回ってから、体はずっと火照っていた。 この火照りをまず抑えなくては、どうしようもなかった。 僕にはこの手段しか思いつかなかった。 もっとも簡単だが、とてつもない虚しさに襲われる方法。 僕は畳の上で目を見開きながら下半身を露(あらわ)にして、神経をペニスと手に集中させた。 チャンネルを有料放送に切り替えて、小さくて冷たくて柔らかいだけペニスを掴んだ。 テレビでは、やけにスカートの短いメガネをかけた女性の家庭教師と男子生徒が、意味不明なやりとりを経て激しく絡み合っていた。 女性の方が「大きい。気持ちいい。」と言いながら男性の上に乗って腰を振っていたが、僕はそれを見てもうまく勃起することができなかった。 まず、演技が話にならないくらい下手だし、男子生徒が明らかに年をとっていた。 リアリティがない。 僕はテレビを消した。 −やれやれー −なんで自分はこんなに客観的になっているんだろう− −性欲を開放すべきなのは、テレビの二人ではなくて僕自身なのに− 自分の中に性的な気持ちの高揚を感じることができなかった。 急に虚しくなって、しばらく何も考えたくないと思ったが、僕の中の性欲は、開放されることを望んでいた。 開放される時を待っていた。 開放されなければなかった。 僕の右手も空中で行き場を失っていた。 結局、右手が行きつく先はただ一つだった。 ゆっくり目を閉じて、過去に僕と寝た女性を思い浮かべてみた。 高3の頃に初めて抱いた髪の綺麗だった同級生。 飲み会の隣の席にいたちょっと疲れ気味だったOL バイト先で出会った肌の白い年下の子。 3ヶ月前に別れた元彼女。 それぞれがそれぞれにリアリティを持っていた。 僕はその4人に関しては、とても細かいところまで思い出すことができた。 唇や乳房の感覚、綺麗な腰のくびれ、彼女たちの香り、僕が中に入ったときに思わず漏れる吐息、終わったあとの寝顔。 そのリアリティをもってしても、性欲は開放されなかった。 僕のペニスはさっきまでとは違い十分勃起していたし、かなりの快感を感じていた。 ただ、このまましごき続けてもリアリティと快感の二つ線は絶対に交わることはないと思った。 僕は元気に生きています。 ...
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